(AM) 30日朝、米ドル/円やクロス円が下落

2020/03/30 09:21

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・新型コロナウイルスをめぐる懸念からリスク回避の動きになりそう
・主要国株価が下落すれば、円高圧力は一段と強まる可能性あり
・ムーディーズ(米格付け会社)は南アフリカを格下げ。資金流出への懸念からランドは下押し圧力が加わりやすい地合いか

(欧米市場レビュー)

27日欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は107.670円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.11439米ドル、豪ドル/米ドルは0.61959米ドル、NZドル/米ドルは0.60647米ドルへと上昇しました。米国の3月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値が89.1と、市場予想の90.0を下回り、3年5カ月ぶりの低水準を記録。前日(26日)発表の米新規失業保険申請件数に続く弱い経済指標が、米ドルを圧迫しました。新規失業保険申請件数(週間)は328.3万件と、前週の28.1万件から急増し、過去最多を記録しました。

BOC(カナダ中銀)は臨時会合を開き、0.50%の利下げを決定。政策金利を0.75%から0.25%へと引き下げました。利下げは3月に入り3回目(4日の定例会合、13日と27日の臨時会合)。また、CP(コマーシャル・ペーパー)を買い入れるほか、「カナダ国債を購入する」と表明。QE(量的緩和)の開始へと踏み切りました。

(本日の相場見通し)

本日(30日)のオセアニア時間から東京時間午前の外為市場では、が堅調に推移しており、米ドル/円クロス円は総じて下落しています。スペインや豪州などは週末に人の移動制限措置を強化(景気にとってさらなる打撃に)。また、米国立アレルギー・感染所所長は29日、「新型コロナウイルスによる米国の死者数は10~20万人に達する可能性がある」と語りました。それらを受けて、市場ではリスク回避の動きが強まり、円高材料となっています。

NYダウなど主要国の株価が下落すれば、リスク回避の動きは一段と強まり、米ドル/円クロス円はさらに下押す可能性があります。米ドル/円は目先、106.433円が下値メドになりそうです。101.189円(3/9安値)から111.677円(3/24高値)への上昇幅10.488円に対し50%下落した水準が、106.433円です(フィボナッチ参考)。

***

米格付け会社のムーディーズは27日、南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)を“Baa3(投資適格級最低)”から“Ba1(投機的等級で一番上)”へと1段階引き下げました。ムーディーズは格下げの主な理由として、「(南アフリカの)財政的な堅固さが引き続き弱まっており、また経済成長も構造的に非常に弱い」ためと説明。格付け見通しは“ネガティブ(弱含み)”とし、一段の格下げがあり得ることを示しました。

今回の格下げにより、南アフリカの格付けは3大格付け会社のすべてで“投機的等級(ジャンク)”となりました。S&Pとムーディーズのいずれもジャンクとなったことで、南アフリカ国債は機関投資家のベンチマークとなっている「世界国債インデックス」から除外されます(*)。南アフリカから資金が流出するおそれがあり、市場では最大110億米ドルの資金流出が起こる可能性があるとの見方があります。

ムーディーズの格下げを受けて、南アフリカランドは本日(30日)、対米ドルや対円で過去最安値を記録しました。格下げは市場で引き続き材料視され、ランドは軟調に推移する可能性があります。

*世界国債インデックスの場合、S&Pとムーディーズの両社で投資適格級の格付けを失えば(=ジャンクになれば)、その国債は組み入れ対象から除外されます。

南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)

(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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