(AM) オセアニア通貨や新興国通貨に対して下押し圧力!?

2020/03/23 09:23

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・各国で外出制限が拡大。世界経済がリセッションに陥るとの懸念が強まりそう
・メキシコペソが対米ドルで過去最安値を記録。リスク回避や原油安がペソに対する下押し圧力に
・NZ中銀は量的緩和を開始。NZドルは下値を試す展開か

(欧米市場レビュー)

20日欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は111.464円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.06294米ドルへと下落、豪ドル/米ドルやNZドル/円はアジア時間終盤の高値から反落しました。投資家による保有資産の現金化に伴う米ドル買い需要との観測があります。

BOM(メキシコ中銀)は臨時会合を開き、0.50%の利下げを決定。政策金利を7.00%から6.50%に引き下げました。利下げは6会合連続。26日に予定していた定例会合を前倒ししました。

(本日の相場見通し)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国で外出を制限する動きが拡大しています。メルケル独首相は22日、国民に対して通勤や通院などを除いて外出を控えるように求めました。また、米国では外出制限を行う州が相次いでおり、国民の約3分の1が外出制限の対象との報道があります。

外出制限によって米経済やユーロ圏経済は大きな打撃を受けるとみられ、市場では世界経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念は一段と強まりそうです。

主要国の株価はさらに下落する可能性があります。その場合、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいオセアニア通貨(豪ドルNZドル)や新興国通貨(トルコリラ南アフリカランドメキシコペソなど)は軟調に推移しそうです。なお、NYダウ先物は日本時間9時時点で前週末の清算値から700ドル超下落。下げ幅は一時954ドルに達し、“サーキット・ブレーカー(取引を一時停止する措置)”が発動する場面がありました。

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メキシコペソは本日(23日)、対米ドルで過去最安値を更新。対円(ペソ/円)も過去最安値圏で推移しています。ペソ安の背景には、新型コロナウイルスをめぐる懸念からリスク回避の動きが強まっていることや原油安があります。メキシコは産油国であり、また石油関連収入は国家歳入の約20%を占める重要な財源です。そのため、原油安はペソにとってマイナス材料です。リスク回避の動きが後退し、また原油価格が反発に転じなければ、ペソに対して引き続き下押し圧力が加わりやすいとみられます。

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RBNZ(NZ中銀)は23日午前(日本時間早朝)、「今後12カ月で最大300億NZドルのNZ国債を買い入れる」と発表。QE(量的緩和)を開始しました。RBNZは16日に0.75%の緊急利下げを実施したばかりです。

声明は、「新型コロナウイルスの大流行による経済的な負の影響は一段と強まっている」と指摘。また、「NZ経済に与える影響は深刻さを増しているうえ、この1週間で金融状況は不必要に引き締まっており、低水準の政策金利の効果は薄れた」と強調。「金融政策委員会は、インフレと雇用の目標を達成するためには一段の金融刺激策が必要との見解で一致した」としました。

RBNZがQEの開始を表明したことを受け、NZドルが対米ドルや対円で下落しました。NZドルは引き続き下値を試す可能性があり、その場合の下値メドとして、NZドル/米ドル0.54579米ドル(19日安値)、NZドル/円59.449円(同)が挙げられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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