(AM) 欧州中銀が追加緩和。豪中銀は利下げ+量的緩和導入か

2020/03/19 09:00

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・“投資家の保有資産の現金化に伴う米ドル買い需要”は継続か
・ECB(欧州中銀)が新型コロナウイルス対策で追加措置を発表
・RBA(豪中銀)は本日19日に金融政策を発表。利下げや量的緩和の導入を発表する可能性あり
・原油価格が約18年ぶりの安値。資源国通貨にとって逆風

(欧米市場レビュー)

18日欧米時間の外為市場では、米ドルの全面高の展開。一時、米ドル/円は108.613円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07912米ドル、英ポンド/米ドルは1.14427米ドル、豪ドル/米ドルは0.56934米ドルへと下落しました。引き続き“保有資産の現金化による米ドル買い需要”が中心とみられます。

(本日の相場見通し)

米ドルは昨日(18日)、対ユーロで約1カ月ぶり、対英ポンドで約35年ぶり、対豪ドルで約17年ぶり、対NZドルで約11年ぶりの高値を記録。対メキシコペソでは過去最高値(=ペソは対米ドルで過去最安値)をつけました。足もとの米ドル高は、新型コロナウイルスをめぐる懸念から金融市場が混乱していることで、“投資家が保有資産の現金化に動き、米ドル買い需要が増加している”ためと考えられます。

主要国の株価が安定するなど金融市場の混乱が落ち着くまでは、保有資産の現金化の動きは継続する可能性があり、米ドルは引き続き底堅く推移しそうです。

ECB(欧州中銀)は18日夜、緊急の電話会合を開き、7500億ユーロの緊急の債券買い入れプログラムの開始」を決定。ラガルドECB総裁は会合後、「緊急時には緊急(の対応)が求められる。ユーロ圏へのコミットメントに制限はない」と述べ、「ECBは与えられた責務においてあらゆる措置を講じる決意だ」と語りました。ECBが新型コロナウイルスによる経済への悪影響の緩和に向けて追加措置に踏み切ったことでユーロが上昇(発表は日本時間19日午前8時前でした)。ユーロは引き続き底堅く推移するかもしれません。

RBA(豪中銀)は本日19日、金融政策について発表します(日本時間12:30)。0.25%の利下げとともに、豪国債の買い入れなどQE(量的緩和)の導入が発表されそうです。市場は「利下げ+QE導入」を予想しており、関心はQEの詳細へと向いています。RBAの措置は豪景気の下支えに不十分と市場が判断した場合、豪ドルに対して一段の下押し圧力が加わる可能性があります。

***

原油安が進んでいます。代表的な指標である米WTI先物は18日、1バレル=20.37ドルで取引を終了。2002年2月以来、約18年ぶりの安値を記録しました。原油安の背景には、原油の供給過剰や産油国間の価格競争への懸念があります。こうした状況のなか、サウジアラビア・エネルギー省は18日、「サウジアラムコ(サウジアラビアの国営石油会社)に対し、原油供給を今後数カ月間、日量1230万バレルに維持するように指示した」と表明しました。

サウジアラビアの過去数カ月間の産油量は日量970万バレルであり、同国の産油量は今後大幅に増加し、また供給過剰の状態は当面続くことになります。原油価格は引き続き軟調に推移する可能性があり、カナダドルやメキシコペソなど資源国通貨には下押し圧力が加わりやすいかもしれません。

*カナダドル/円のテクニカル分析は、本日19日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ