(PM) トルコ中銀が政策会合を前倒しし、緊急利下げ

2020/03/18 14:13

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)の利下げにより、トルコの実質金利はマイナス幅を拡大。リラに対する下押し圧力はさらに強まる可能性あり

TCMBは17日、1%の緊急利下げを決定。政策金利を10.75%から9.75%へと引き下げました。利下げは7会合連続です。新型コロナウイルスによって起こり得る経済や金融への影響を協議するため、19日に予定していた政策会合を前倒ししました。

声明は、「新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済の成長見通しが弱まっており、先進国や新興国の中銀は協調して拡張的な措置を講じている」と指摘。「足もとでトルコリラが下落しているものの、原油など商品価格の急激な下落や渡航制限などによる全般的な経済活動の低下により、年末のインフレ率は予想(8.2%)を下振れる可能性が高まった」と判断し、利下げするとの決定を下したと説明しました。

TCMBはまた、利下げとは別の声明で「新型コロナウイルスがトルコ経済に及ぼす悪影響を緩和するための措置」を発表。銀行システムに対して可能な限り流動性を供給すると表明し、「期間最長91日のレポ取引を通じて1週間物レポ金利(政策金利)よりも1.50%低い金利でリラ建ての流動性を供給する」などの措置を打ち出しました。

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新型コロナウイルスの感染拡大を受けてトルコリラに対して下押し圧力が加わっており、リラは17日に対米ドルで一時約1年6カ月ぶりの安値を記録しました。

今回の利下げによりトルコの実質金利(*)はマイナス2.62%となり(政策金利:9.75%、CPI上昇率:12.37%)、マイナス幅はこれまでの1.62%から拡大。同じ新興国であるメキシコや南アフリカと比べてトルコの実質金利の低さは一段と際立つ状況となりました。メキシコと南アフリカの実質金利は、17日時点でそれぞれ3.30%、1.75%です。

今回のTCMBの利下げはトルコリラに対する下押し圧力をさらに強めかねません。リラは一段と下落する可能性があり、注意が必要です。

*実質金利:政策金利から前年比のCPI上昇率を引いたもの


(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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