(AM) 豪ドルが対米ドルで17年ぶり、対円で11年ぶりの安値

2020/03/18 09:25

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米ドルが堅調な背景には、“投資家の保有資産の現金化に伴う米ドル買い需要”との見方
・新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に、豪ドルに対して下押し圧力
・RBA(豪中銀)は19日に利下げか。量的緩和を導入する可能性もあり

(欧米市場レビュー)

17日欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は107.819円、ユーロ/米ドルは1.09503米ドル、豪ドル/米ドルは0.59581米ドル、NZドル/米ドルは0.59317米ドルへと下落しました。金融市場が混乱していることで“保有資産の現金化による米ドル買い需要”や米国の長期金利(10年債利回り)の上昇が、米ドルの支援材料となりました。

TCMB(トルコ中銀)は19日に予定していた政策会合を前倒しして開催。政策金利を10.75%から9.75%へと引き下げることを決定しました。利下げは7会合連続です。TCMBの利下げを受けてトルコリラが下落しましたが、リラはその後反発しました。

(本日の相場見通し)

NYダウは17日、前日比1048.86ドル(5.20%)高の21237.38ドルで取引を終了。新型コロナウイルスが経済に与える打撃を緩和するため、トランプ米大統領が総額1兆米ドル規模の景気刺激策を発表したことがダウを押し上げました。*詳しくは、本日18日の『ファンダメ・ポイント(コロナ対策、超大型財政出動は世界経済を救えるか)』をご覧ください。

本日(18日)は引き続き主要国の株価動向に注目です。通常は株価が下落すれば米ドル高や円高材料、株価が上昇すれば米ドル安や円安材料と考えられます。

ただ、最近は主要国株価の動向にかかわらず、米ドルが堅調に推移するケースがみられます。その理由として、“金融市場が混乱していることで投資家が保有資産の現金化に動き、米ドル買い需要が増加している”との見方があり、この動きは当面続く可能性があります。その場合、株価が上昇したとしても米ドル安はそれほど進まないかもしれません。

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豪ドルは17日、対米ドルで約17年ぶり、対円で約11年ぶりの安値を記録しました。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国が人の移動を制限しており、世界経済がリセッション(景気後退)に陥ることを市場は懸念しています。市場では、リスク回避の動きが強まっており、豪ドルに対して下押し圧力が加わりやすい地合いです。

そのうえ、豪州は石炭や鉄鉱石など世界の景気動向に影響を受けやすいものが主力輸出品であり、また人の移動が制限されることによって観光業などの主要産業も大きな打撃を受けるとみられます。そのため、豪ドルは下げが特に大きくなっています。豪ドルが下げ止まるためには、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかり、世界経済をめぐる懸念が後退する必要がありそうです。

RBA(豪中銀)は16日、「RBAは豪国債の買い入れを行う用意がある」と表明し、「19日に追加の政策措置を発表する」としました。19日に0.25%の利下げを行うとみられ、さらにQE(量的緩和)の導入も発表されるかもしれません。利下げとQEの導入が発表された場合、豪ドルの上値は一段と重くなる可能性があります

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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