(AM) NYダウが過去最大の下げ。メキシコペソは過去最安値を記録

2020/03/17 09:19

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米FRBの緊急利下げにもかかわらず、NYダウは2997ドル下落。世界経済をめぐる懸念は払しょくされず
・主要国の株価動向に引き続き注目。一段安なら、米ドル/円やクロス円は下値を試す展開になりそう
・リスク回避の動きや原油安を背景に、メキシコペソに対して下押し圧力

(欧米市場レビュー)

16日欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は105.063円、ユーロ/円は117.116円、豪ドル/円は64.000円、メキシコペソ/円は4.543円へと下落しました。欧米株が大幅に下落したことでリスク回避の動きが強まり、円高材料となりました。米ドルも対円以外では上昇。実効レートは3年ぶり高値を記録しました。

G7(主要7カ国)首脳は緊急テレビ会議を開催。新型コロナウイルスへの対策を最優先課題とし、「金融・財政政策を含めあらゆる手段を総動員する」と表明しました。

(本日の相場見通し)

NYダウは16日、前日比2997.10ドル(12.93%)安の20188.52ドルで取引を終了。下げ幅は過去最大を記録し、また下落率は1987年10月19日のブラックマンデー以来の大きさでした。FRB(米連邦準備理事会)やRBNZ(NZ中銀)が緊急利下げを行い、日銀も18-19日に予定されていた政策会合を前倒しして追加金融緩和に踏み切ったものの、“新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に深刻な打撃を与える”との懸念は払しょくされませんでした。

本日(17日)は、引き続き主要国の株価動向が材料になりそうです。欧米株は16日に大幅に下落したこともあり、その反動でいったん値を戻すかもしれません。ただ、欧米で人の移動を制限する動きが広がっている状況では、株価は再び下落し始める可能性があります。株価が一段と下落した場合、米ドル/円クロス円には下押し圧力が加わりそうです。米ドル/円は目先の下値メドとして、105.063円(16日安値)が挙げられます。

*米ドル/円のテクニカル分析は、本日17日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

***

メキシコペソは16日、対米ドルで過去最安値を記録しました。新型コロナウイルスをめぐる懸念からリスク回避の動きが強まっており、新興国通貨であるペソに対して下押し圧力が加わっています。また、原油安もペソにとってマイナス材料です。原油価格の代表的な指標である米WTI先物は16日、1バレル=28.70ドルで取引を終了。終値としては、2016年2月以来の安値をつけました。ペソが反発に転じるには、リスク回避の後退や原油価格の下げ止まりが必要かもしれません。

BOM(メキシコ中銀)は26日に政策会合を開く予定です。会合では、メキシコの景気を支援するため利下げが決定される可能性が高いとみられる一方、どの程度利下げするかについてBOMは難しい判断に迫られそうです。メキシコの2月CPI(消費者物価指数)は前年比3.70%と、BOMのインフレ目標である3%を上回っており、また大幅に利下げすれば、ペソ売り圧力をさらに強めかねないからです。

ディアス・デレオンBOM総裁は13日(15日の米FRBの緊急利下げ前)、FRBの3日の緊急利下げを受けてBOMも26日より前に利下げする可能性があるのかとの質問に対し、「米国は為替レートの大幅な調整に直面していないが、ペソは下落している」と指摘。「メキシコと米国は状況が異なる」と述べ、26日の会合前の利下げを否定するとともに、政策決定の際にはペソ安も考慮することを示唆しました。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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