(AM) 不安定な主要国株価。外為市場は値動きの大きい状態続く

2020/03/11 09:19

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国の景気対策期待による株高は持続するかどうか
・サウジアラビアは4月から原油を大幅に増産。原油価格を下押す可能性あり

(欧米市場レビュー)

10日欧米時間の外為市場では、が反落。一時、米ドル/円は105.892円、ユーロ/円は119.437円、豪ドル/円は68.932円、メキシコペソ/円は5.145円へと上昇しました。トランプ米大統領が「大規模な景気対策を検討している」と表明したことでリスク回避の動きが弱まり、円安圧力が加わりました。

(本日の相場見通し)

NYダウは9日、前日比1167.14ドル(4.89%)高の25018.16ドルで終了。トランプ大統領による景気対策への期待が支援材料となりました。ただ、ダウは乱高下する展開となり、取引開始直後には前日終値比900ドル以上上昇。しかし、その後マイナス圏へと転落し、一時は160ドル安の23690.34ドルまで下落。一日の値幅(高値と安値の差)は1330.65ドルに達しました。

主要国の株価が不安定ということもあり、外為市場は値動きが大きくなっています。こうした状況は当面続く可能性があり、急激な相場変動には注意が必要です。

本日(11日)は米国の景気対策主要国の株価動向が材料になりそうです。報道によると、トランプ大統領は景気対策の中に“11月の米大統領選まで給与税を軽減する”ことや“有給家族休暇の付与”などを盛り込む意向です。ただ、給与税減税について、民主党(野党)だけでなく、共和党(与党)の一部議員も慎重な姿勢を示しているようです。また、米国の景気対策は主要国株価にある程度織り込まれたと考えられます。

市場の期待を上回る景気対策が打ち出されなければ、景気対策期待を背景とした株価の上昇は長続きしないかもしれません。主要国株価が軟調に推移した場合、米ドル/円クロス円は上値が重い展開になりそうです。米ドル/円は目先の上値メドとして、105.892円(10日高値)が挙げられます。

*米ドル/円のテクニカル分析は、本日11日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

***

原油価格の代表的な指標である米WTI先物は9日、前日比3.23ドル(10.4%)高の1バレル=34.36ドルで終了。米国の景気対策への期待がWTI先物を押し上げました。

一方で、市場では“産油国間で原油の増産や価格競争が激化する”との観測があります。サウジアラムコ(サウジアラビアの国営石油会社)は“4月の軽質油の公式販売格を引き下げ”、さらに12日には「4月の産油量を日量1230万バレルへと引き上げる」と発表しました。サウジアラビアの過去数カ月間の産油量は日量970万バレルのため、大幅な増産です。他の産油国もサウジアラビアに追随する可能性があります。

“ノバク・ロシアエネルギー相と国内の石油企業各社の幹部が12日に投資計画や生産について協議する”もようです、ロシアが増産へと動く場合、原油価格に対して下押し圧力が加わる可能性があります。原油など資源価格の下落は、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨にとってマイナス材料です。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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