(AM) カナダ中銀総裁が追加利下げを示唆

2020/03/06 09:32

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・主要国の株価動向に米ドル/円やクロス円は振らされる展開。その状況は当面続くとみられる
・BOC(カナダ中銀)総裁は「新型コロナウイルスに関わらず、4日に利下げする理由があった」と発言
・BOCの利下げ観測を背景にカナダドルは軟調に推移しそう

(欧米市場レビュー)

5日欧米時間の外為市場では、の全面高の展開。一時、米ドル/円は105.979円、ユーロ/円は118.900円、豪ドル/円は69.928円、メキシコペソ/円は5.314円へと下落しました。NYダウが軟調に推移したことでリスク回避の動きが強まり、円高圧力が加わりました。

エルドアン・トルコ大統領とプーチン・ロシア大統領はモスクワで会談し“イドリブ県(シリア北西部)で6日から停戦することで合意”しました。イドリブ県ではアサド政権軍とトルコ軍との衝突が続いていました。ロシアはアサド政権の後ろ盾です。トルコとロシアの停戦合意を受けて、トルコリラは対米ドルで下げ幅を縮小し、対円で下げ渋りました。

(本日の相場見通し)

NYダウは5日、大幅反落。前日比969.58ドル安(3.58%安)の26121.28ドルで取引を終えました。新型コロナウイルスをめぐる懸念が下押し圧力となり、ダウの下げ幅は一時1100ドルを超えました。

ダウはこのところ乱高下しており、米ドル/円クロス円はダウの動向に上下に振らされる展開となっています。本日(6日)も引き続き米国など主要国の株価動向が材料になりそうです。主要国株価が大きく下落した場合には円高圧力が加わり、米ドル/円やクロス円は下値を試す可能性があります。米ドル/円105.000円(心理的節目)に接近するかもしれません。

*米ドル/円のテクニカル分析は、本日6日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

本日、米国の2月雇用統計が発表されます(日本時間22:30)。非農業部門雇用者数や失業率がそれぞれ、市場予想の17.5万人増や3.6%と大きく異なる結果になれば、外為市場や米株式市場が反応する可能性があります。ただし、今回の雇用統計には、新型コロナウイルスによる影響がほとんど反映されていないとみられます(雇用統計は12日を含む週を調査期間としているため)。

***

BOC(カナダ中銀)は4日、0.50%の利下げを決定。ポロズBOC総裁は翌5日、さらなる利下げを示唆しました。

ポロズ総裁は「新型コロナウイルスは、カナダ経済が直面している唯一の課題ではない」と強調。国内の経済指標が予想よりも弱いことを挙げ、「新型コロナウイルスを考慮しなくても、(4日に)利下げを行うのに十分な理由があった」と語りました。

ポロズ総裁はまた、「新型コロナウイルスの感染拡大の深刻度やその影響が及ぶ期間によるものの、カナダ経済の底堅さが根本的に試される可能性がある」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大だけでなく、悪天候やガスパイプライン建設に反対する抗議行動などカナダ経済には悪材料があり、「4-6月期にかけて非常に極めて緩やかな成長が続く可能性がある」との見方を示しました。

ポロズ総裁の発言を受けて、市場では4月15日の次回政策会合での利下げ観測が高まりました。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む4月の利下げの確率は71.4%(据え置きは28.6%)です(日本時間6日午前6時30分時点)。

BOCの追加利下げ観測を背景にカナダドルは軟調に推移するとみられ、カナダドル/円は目先の下値メドとして78.398円(2019/8/26安値)が挙げられます。


(リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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