(AM) 米FRBに追随。カナダ中銀が4年8カ月ぶりに利下げ

2020/03/05 09:26

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米FRBやBOC(カナダ中銀)の利下げや米スーパーチューズデーの結果を受け、主要国株価は底堅く推移する可能性あり
・5日、トルコとロシアの首脳会談。シリアの緊張緩和に向けて合意できるか
・BOCは0.50%の利下げを行い、また追加利下げの可能性を残す

(欧米市場レビュー)

4日欧米時間の外為市場では、が弱含み。一時、米ドル/円は107.644円、豪ドル/円は71.261円、NZドル/円は67.755円へと上昇しました。日米欧の株価が堅調に推移したことでリスク回避の動きが後退し、円安圧力が加わりました。

ユーロも軟調。ユーロ/米ドルは一時、1.10939米ドルへと下落しました。“新型コロナウイルスの影響によってフランスとイタリアがリセッション(景気後退)入りする可能性がある”との見方を欧州委員会が示し、ユーロの重石となりました。

BOC(カナダ中銀)0.50%の利下げを決定。3日に0.50%の利下げに踏み切ったFRB(米連邦準備理事会)に追随しました(*後述)。

(本日の相場見通し)

NYダウは4日、前日比1173.45ドル(4.53%)高の27090.86ドルで取引を終了。“スーパーチューズデー”でバイデン前米副大統領が14州のうち10州で勝利し、ダウの支援材料となりました。自らを「民主社会主義者」と呼ぶサンダース上院議員が民主党の大統領候補になることを株式市場は懸念しています。

*スーパーチューズデーについては、本日5日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

足もとの外為市場は主要国の株価動向に反応しやすい地合いです。主要国の株価が不安定な状況が続いていることで、外為市場も不安定な値動きになっています。

ただ、FRB(米連邦準備理事会)やBOC(カナダ中銀)が景気支援に向けて相次いで利下げを実施。また、米民主党の予備選ではバイデン前副大統領が首位に立ちました。引き続きそれらが好感され、主要国の株価は堅調に推移する可能性があります。その場合、米ドル/円108.000円(心理的節目)超えを試すかもしれません。

本日(5日)、イドリブ県(シリア北西部)の問題を協議するため、エルドアン・トルコ大統領とプーチン・ロシア大統領がモスクワで首脳会談を行う予定です。イドリブ県では、アサド政権軍と反体制派を支援するトルコ軍が衝突しており、両者の緊張が高まっています。ロシアはアサド政権の後ろ盾です。停戦などシリアの緊張緩和に向けてエルドアン大統領とプーチン大統領が合意できるかが首脳会談の焦点になりそうです。首脳会談の結果にトルコリラが反応する可能性があり、注目です。

***

BOC(カナダ中銀)は4日、0.50%の利下げを決定。政策金利を1.75%から1.25%へと引き下げました。利下げは2015年7月以来、4年8カ月ぶりです。

新型コロナウイルスが世界的に拡大するなかで、カナダ経済を支援することが利下げの狙いだと考えられます。

声明は、「新型コロナウイルスは、カナダや世界の経済見通しに重大な負の衝撃をもたらしている」と指摘。「一部の地域で企業活動が急激に低下し、サプライチェーンが混乱した」とし、「新型コロナウイルスの感染がさらに拡大すれば、企業や消費者の信頼感が低下し、経済活動はさらに圧迫される可能性がある」との見方を示しました。

「現在の経済見通しは、1月時点よりも明らかに弱い」としたうえで、「経済成長を支援しインフレを目標水準に維持するため、必要なら金融政策を一段と調整する用意がある」と表明。追加利下げの可能性を残しました。

カナダ経済をめぐる懸念が払しょくされなければ、BOCは今後追加利下げに踏み切りそうです。

市場では、4月15日の次回会合で追加利下げが行われるとの観測が浮上しています。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む4月の利下げの確率は55.6%(据え置きは44.4%)です(日本時間5日06:30時点)。新型コロナウイルスによる経済への悪影響が長期化する、あるいは原油価格(原油はカナダの主力輸出品)が下落を続ける場合、利下げ観測は一段と高まるとみられます。BOCの利下げ観測の高まりは、カナダドルにとってマイナス材料です。


(リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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