(AM) 主要国株価動向に注目。トルコリラはシリア情勢に要注意

2020/02/27 09:30

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・NYダウは5日続落し、終値ベースで4カ月ぶりの安値。一段安になれば、リスク回避の動きが強まりそう
・トルコ大統領はシリアでの軍事作戦を改めて警告。シリア情勢をめぐる懸念が一段と高まれば、リラに対してさらなる下押し圧力も

(欧米市場レビュー)

26日欧米時間の外為市場では、豪ドルが軟調に推移。一時、豪ドル/米ドルは0.65855米ドル、豪ドル/円は72.192円へと下落し、それぞれ10年11カ月ぶり、4カ月半ぶりの安値を記録しました。新型コロナウイルスの感染が各国へ拡大していることRBA(豪中銀)の利下げ観測が、豪ドルに対する下押し圧力となっています。リスク回避の動きが強まることは、豪ドルにとってマイナス材料です。

メキシコ中銀は四半期経済報告を公表。メキシコの2020年と2021年のGDP(国内総生産)成長率見通しを以下のように引き下げました。

・2020年:0.5~1.5%(2019年11月時点:0.8~1.8%)
・2021年:1.1~2.1%(同:1.3~2.3%)

メキシコ中銀は一方で、2020年10-12月期のCPI(消費者物価指数)上昇率見通しは従来の3.0%から3.2%へと引き上げました。

(本日の相場見通し)

NYダウは26日、前日比123.77ドル(0.46%)安の26957.59ドルで取引を終了。ダウが下落したのは5営業日連続であり、また終値ベースで27000ドルを下回ったのは約4カ月ぶりです。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が、足もとのダウ下落の主な要因です。

外為市場の関心は、主要国(特に米国)の株価動向に向かうとみられます。株価が大きく下落するようであれば、リスク回避の動きが強まり、米ドル/円クロス円は軟調に推移する可能性があります。米ドル/円の目先のメドとして、下値が109.893円(2/25安値)、上値は111.001円(2/25高値)が挙げられます。

トルコリラは引き続き、シリア情勢に要注意です。エルドアン・トルコ大統領は26日、「トルコはイドリブ県(シリア北西部)で後退しない」と述べ、「アサド政権軍を停戦監視所から追い払う」と語りました。

エルドアン大統領はアサド政権に対し、2月末までにイドリブ県に設けられたトルコの停戦監視所の外側(アサド政権側)へと撤退するように要求しており、撤退しない場合には軍事作戦を開始すると警告しています。

一方で、トルコはアサド政権の後ろ盾であるロシアと、イドリブ県の問題について26日にアンカラで協議を行いました。協議は本日(27日)も継続するようです。

足もとのトルコリラ安の背景には、シリア情勢をめぐる懸念があります。その懸念が一段と高まる場合、トルコリラに対する下押し圧力はさらに強まる可能性があります。

*トルコリラ/円のテクニカル分析は、本日27日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

***

ムボウェニ南アフリカ財務相は26日、予算案を発表。南アフリカの2020/21年度の財政赤字の見通しを引き上げ、またGDP(国内総生産)成長率見通しを下方修正しました。

・財政赤字:対GDP比6.8%(2019年10月時点の見通し:6.5%)
・GDP成長率:0.9%(同:1.2%)

ムボウェニ財務相は一方で、「公務員の賃金支払いを今後3年間で総額1600億ランド削減する」と表明しました。

市場では、ムーディーズ(米格付け会社)が南アフリカの格付けを引き下げるとの懸念があり、それが足もとのランド安の主な要因です。

ムボウェニ財務相が公務員賃金の削減(=歳出削減)という財政再建策を打ち出したことで、ムーディーズが3月27日の格付け見直しで南アフリカを格下げする可能性は低下したかもしれません。

ただ、最大の労働組合組織であるCOSATU(南アフリカ労働組合会議)は賃金の削減を容認しない方針を示しており、公務員賃金の削減は簡単ではなさそうです。公務員賃金の削減が実現できなければ、財政赤字は政府の見通しを上回ることも考えられます。

南アフリカの格下げ懸念は今後もランドに対する重石となり続ける可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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