(AM) 米ドル/円が112円台へ上昇、10カ月ぶりの高値

2020/02/21 09:22

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米ドルが全般的に堅調に推移していることや日本がリセッションに陥るとの懸念が、米ドル/円を押し上げ
・本日21日の米ドル/円は、利益確定売りが出やすいとみられ上昇は一服か
・シリア情勢:アサド政権軍がトルコ軍を空爆し、トルコ軍は報復攻撃実施。両国が本格的な戦闘へと発展するとの懸念は一段と高まりそう

(欧米市場レビュー)

20日欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は112.183円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07776米ドル、英ポンド/米ドルは1.28462米ドルへと下落しました。米国の2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や1月景気先行指数の堅調な結果が米ドルの支援材料となりました。結果はフィラデルフィア連銀製造業景気指数が36.7、1月景気先行指数は前月比0.4%と、いずれも市場予想の(12.0、0.4%)を上回りました。

豪ドル/米ドルは2009年3月以来、10年11カ月ぶりの安値を記録。米ドル買いの流れに加え、豪州の1月失業率の上昇(悪化)が下押し圧力となりました。*豪雇用統計については、20日の『デイリーフラッシュ(PM)』をご覧ください。

(本日の相場見通し)

米ドル/円は昨日(20日)、約10カ月ぶりの高値をつけました。このところ米ドルが全般的に堅調に推移しているうえ、日本がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念が米ドル/円を押し上げています。市場ではまた、日本国内で新型コロナウイルスの感染者が拡大していることも円売り材料として意識されているようです。

本日の米ドル/円は、この2日間の上げが急激だったことや日本の3連休前ということもあり、利益確定売りが出やすいとみられ、上昇が一服するかもしれません。目先のメドとして、上値が112.360円(2019/4/24高値)、下値は111.113円(昨日安値)が挙げられます。

本日は、ドイツとユーロ圏の2月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が発表されます。ユーロ圏景気をめぐる懸念が、足もとのユーロ安の一因となっています。製造業PMIが市場予想(ドイツが44.8、ユーロ圏が47.5)を下回れば、景気をめぐる懸念は一段と強まり、ユーロが下落する可能性があります。ユーロ/米ドルは、1.07000米ドル(心理的節目)割れを試すかもしれません。

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シリア北西部のイドリブ県で20日、アサド政権軍による空爆によってトルコ軍兵士2人が死亡し、5人が負傷。トルコはただちに報復攻撃を行いました。

シリアでは、アサド政権がイドリブ県の反体制派への攻勢を強めており、反体制派を支援するトルコとの緊張が高まっています。エルドアン・トルコ大統領は19日、アサド政権に対し、数日以内の攻撃停止を要求したうえで、「トルコがイドリブで軍事作戦を開始するのは時間の問題だ」と警告しました。

アサド政権軍がトルコ軍に対して空爆を行ったことで、両国が本格的な戦闘へと発展するとの懸念は一段と高まりそうです。

トルコリラには下押し圧力が加わりやすいとみられます。リラは対米ドルで下落を続ける(20日に2019年5月以来、9カ月ぶりの安値を記録)一方、対円(リラ/円)米ドル/円の上昇に支えられて底堅く推移しています。ただ、対米ドルでリラが下落を続ける場合、リラ/円もそれに引きずられる可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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