(AM) メキシコペソ:メキシコ景気の低迷が改めて浮き彫りに

2020/01/31 09:23

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・新型コロナウイルスが世界経済に与える打撃。SARSを上回る可能性があると市場は懸念
・2019年のメキシコ経済は10年ぶりのマイナス成長。メキシコ中銀の2月利下げ観測が一段と高まりそう

(欧米市場レビュー)

1月30日欧米時間の外為市場では、英ポンドが堅調に推移。一時、ポンド/米ドルは1.31059米ドル、ポンド/円は142.659円へと上昇しました。BOE(英中銀)は政策金利を0.75%に据え置くことを7対2の賛成多数で決定。市場では利下げするとの見方もあったため、ポンドの上昇材料となりました。据え置きの決定に反対した2名はいずれも0.25%の利下げを主張しました。

*BOE政策会合については、本日31日の『ファンダメ・ポイント』で解説しています。

(本日の相場見通し)

WHO(世界保健機関)は30日、新型コロナウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。脆弱な医療制度の国にウイルスの感染が拡大する可能性に懸念を示す一方で、中国に対する渡航や物流の制限は勧告しないとしました。

新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからないことで、市場では世界経済をめぐる懸が高まっており、“新型コロナウイルスが世界経済に与える打撃はSARSを上回る可能性がある”との見方もあります。中国のGDP(国内総生産)が世界のGDPに占める割合は、2002~2003年のSARS流行時は4%程度でしたが、現在は約16%へと拡大しているためです。

市場はリスク回避の動きになりやすいとみられ、米ドル/円クロス円は上値が重い展開が想定されます。米国株の下落が加われば、米ドル/円200日移動平均線(30日時点で108.448円)割れを試すかもしれません。

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昨日(30日)、メキシコの2019年通年のGDP(国内総生産)が発表され、結果は前年比マイナス0.1%。2019年のメキシコ経済は2009年以来、10年ぶりのマイナス成長でした。ロペスオブラドール大統領の経済政策への不安やUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の先行き不透明感などによって民間の投資が落ち込みました。

GDPの結果を受けて市場では、BOM(メキシコ中銀)が2月13日の次回会合で利下げするとの観測が一段と高まりそうです。利下げ観測はメキシコペソにとってマイナス材料です。ただ、仮にBOMが2月に利下げしたとしても、メキシコの実質金利(政策金利から前年比の消費者物価指数上昇率を引いたもの)が高いという状況は変わらないと考えられます。そのため、利下げ観測を背景にメキシコペソが下落を続ける展開にはならないとみられます。

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英国は現地時間31日23時(日本時間2月1日8時)、EUを離脱します(ただし、12月末までは移行期間)。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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