(AM) 英中銀の政策判断は!? メキシコGDP発表

2020/01/30 08:47

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・新型肺炎の感染拡大の状況や各国政府の対応
・英中銀の政策金利は据え置きが有力なものの、利下げ観測もあり
・メキシコのGDP速報値で同国景気の低迷が改めて浮き彫りになるか

(欧米市場レビュー)

29日欧米時間の外為市場は、方向感に欠ける展開。NYダウが堅調に推移したことで円安圧力が加わり、米ドル/円は一時109.222円へと上昇し、ユーロ/円や豪ドル/円も値上がりしました。その後、NYダウが上げ幅を縮小するとともに、米ドル/円やクロス円は上げ幅を縮小。それまでの上昇幅をほぼ消しました。NYダウの終値は前日比11.60ドル高の28734.45ドル。一時は28944.24ドル(221.39ドル高)まで上昇しました。

トランプ米大統領はNAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定“USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)”に署名。これにより米国の批准手続きは完了しました。メキシコはすでに批准しており、残るカナダが批准すれば、その約3カ月後にUSMCAは発効します。

FOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利を1.50~1.75%に据え置くことを決定しました。*FOMCについては、本日30日の『ファンダメ・ポイント(米FOMCはハト派的、利上げ観測は消滅)』で解説しています。

(本日の相場見通し)

市場は引き続き、新型肺炎の感染拡大の状況各国政府の対応に注目しそうです。世界経済をめぐる懸念が強まる場合、リスク回避の動きが強まり、米ドル/円クロス円は下押す可能性があります。なお、クドロー米NEC(国家経済会議)委員長は29日(日本時間30日朝)、「新型コロナウイルスの流行を受けて、航空会社は中国便を自主的に制限しており、さらなる制限を協議中だ」と語りました。

本日(30日)、BOE(英中銀)が政策金利を発表します(日本時間21:00)。市場では、“政策金利は据え置き”との見方が有力ですが、“0.25%の利下げ”との見方もあります。見方が分かれているだけに、どのような結果になったとしても英ポンドが反応しそうです。利下げが決定された場合、ポンドは軟調に推移するとみられます。米ドル/円の動向次第ではあるものの、ポンド/円90日移動平均線(29日時点で140.303円)に接近するかもしれません。

本日はまた、メキシコの10-12月期GDP(国内総生産)速報値が発表されます(日本時間21:00)。市場予想は前期比マイナス0.1%、前年比マイナス0.2%。前期比で3四半期ぶり、前年比で3四半期連続のマイナス成長となり、メキシコ景気の低迷が改めて浮き彫りになるとみられています。

市場予想以上のマイナスになれば、BOM(メキシコ中銀)の2月13日の次回会合での利下げ観測が高まりそうです。利下げ観測はメキシコペソにとってマイナス材料です。

一方で、メキシコペソがこのところ底堅く推移している要因として、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が発効に向けて前進していることや、メキシコの実質金利の高さが挙げられます。メキシコの実質金利(政策金利から前年比の消費者物価指数上昇率を引いたもの)は現在4.42%。新興国の平均である3%弱を上回っています(トルコの実質金利はマイナス0.59%、南アフリカの実質金利は2.25%)。BOMが2月に利下げしたとしても、メキシコの実質金利が高い状況は変わらないと考えられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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