(AM) 米ドル/円やクロス円は上値が重い展開か

2020/01/29 09:20

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・世界経済をめぐる懸念は払しょくされておらず、米ドル/円やクロス円の下値リスクは残る
・米FOMCは、声明やFRB議長会見で金融政策について新たな材料が提供されるかどうかが焦点
・OPECが協調減産の期間を延長する可能性があるとの報道。資源国通貨を下支えするか!?

(欧米市場レビュー)

28日欧米時間の外為市場では、が反落。一時、米ドル/円は109.161円、ユーロ/円は120.281円、豪ドル/円は73.771円、NZドル/円は71.419円へと上昇しました。NYダウが上昇したことでリスク回避の動きが後退し、円の重石となりました。

メキシコペソは堅調。ペソ/円は一時5.814円へと上昇し、対米ドルでも値上がりしました。リスク回避が後退したうえ、メキシコの12月の貿易黒字額が20年以上ぶりの大きさとなり、ペソの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

新型コロナウイルスの感染は拡大が続いており、人の移動の制限によって中国景気に影響を及ぼしつつあります。世界第2位の経済大国である中国の景気動向は、世界経済全体にも影響を与えます。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない限り、世界経済をめぐる懸念は払しょくされないとみられます。米ドル/円クロス円は昨日(28日)上昇したものの、下値リスクは残っています。

米ドル/円の目先のメドとして、上値が109.491円、下値は200日移動平均線(28日時点で108.479円)が挙げられます。110.247円(17日高値)から108.735円(27日安値)までの下げ幅の半値(50%)戻しの水準が、109.491円です。

本日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、それも材料になる可能性があります(結果発表は日本時間30日04:00)。

“政策金利(現在は1.50~1.75%)は据え置かれる”との見方で市場は一致。その通りの結果になれば、声明やパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の会見で“金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるのか”が焦点になりそうです。

市場では、FRBが年内に利下げするとの観測があります。CMEグループのFEDウォッチによると、金利先物市場が織り込む年内の利下げの確率は28日時点で70.8%(据え置きは26.2%、利上げは3.1%)。市場では、新型肺炎の拡大によって利下げ観測が高まっており、21日時点の利下げの確率は58.4%でした(据え置きは36.8%、利上げは4.8%)。

一方で米経済は堅調に推移しており、声明やパウエル議長の会見では米景気について楽観的な見方が示される可能性があります。その場合、FRBの利下げ観測が後退して米ドルの支援材料になりそうです。

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新型コロナウイルスの感染拡大によって原油需要が減少するとの懸念から原油価格が急落しており、代表的な指標である米WTI先物は27日に3カ月半ぶりの安値を記録。1月8日のピークからの下落率は一時2割に達しました。カナダドルなど資源国通貨にとって原油価格の下落はマイナス材料です。

一方で、“OPEC(石油輸出国機構)が非加盟との協調減産の期間を現在の3月末から少なくとも6月末へと延長する可能性がある”との報道や“OPECは協調減産の規模拡大を検討している”との報道があります。

協調減産の期間延長や減産規模の拡大への期待を背景に原油価格が持ち直せば、資源国通貨を下支えする可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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