(PM) 豪中銀の利下げ観測は一段と後退するか

2020/01/28 15:14

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・豪失業率が低下したことで、RBA(豪中銀)の利下げ観測が後退
・29日発表の豪CPIが市場予想を上回れば利下げ観測は一段と後退し、豪ドルの支援材料になりそう
・新型肺炎の感染拡大や中国景気をめぐる懸念は豪ドルの下押し材料

23日に発表された豪州の12月失業率は5.1%と、11月の5.2%から低下(改善)。9カ月ぶりの低水準を記録しました。

現在のRBA(豪中銀)は金融政策の決定において雇用情勢を重視しており、2019年に実施した3回(6月、7月、10月)の利下げは、失業率の低下を促すことが主な狙いでした。RBAは先行きの金融政策について“必要なら追加利下げを行う”との姿勢です。

12月の失業率の低下を受けて、市場では2月4日の次回政策会合での利下げ観測が後退。雇用統計前に50%程度織り込まれていた利下げの確率は、足もとで30%程度です(翌日物金利スワップ参照)。

豪州の10-12月期CPI(消費者物価指数)が29日に発表されます(日本時間09:30)。市場予想は総合CPIが前期比0.6%、前年比+1.7%、RBAが総合CPI以上に重視する基調インフレ率(トリム平均値と加重中央値の平均)は前年比+1.4%です。総合CPIや基調インフレ率が市場予想を上回れば、2月の利下げ観測は一段と後退し、豪ドルの支援材料となりそうです。

一方で、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に歯止めはかかっておらず、また人の移動の制限(中国の旅行会社は国内外の団体旅行を停止)によって新型肺炎は中国経済に悪影響を与えつつあります。豪ドル投資家のリスク意識の変化を反映しやすいうえ、中国景気に影響を受けやすいという特徴があります(豪州最大の輸出先が中国であるため)。新型肺炎に関する報道各国政府の対応にも注意が必要です。


(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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