(AM) カナダ中銀が利下げに含み

2020/01/23 08:12

デイリーフラッシュ


【ポイント】
・BOC(カナダ中銀)は据え置き決定も、総裁会見では利下げに含み
・英企業景況感改善でポンド高、CPI加速で南アランド高
・米大統領弾劾裁判は2日目。下院検察団が冒頭陳述を開始

(欧米市場レビュー)

 21日欧米時間の外為市場ではカナダドルが下落。英ポンド南アランドが堅調でした。

 BOC(カナダ中銀)は金融政策会合で「据え置き」を決定しました。ポロズ総裁は記者会見で、景気減速により物価に下押し圧力が加わっているものの、家計債務が高水準にあるために利下げを見送ったと述べました。そして、「利下げのドアは開いている」と語り、将来的な利下げの可能性に言及しました。

 22日時点でOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は今年前半中にBOCが利下げする確率を50%強織り込んでいます。前日(=会合前)は30%弱でした。

 1月のCBI(英国産業連盟)製造業受注指数が市場予想以上に改善し、ポンド高材料となりました。英国とEUの交渉が残っているとはいえ、ブレグジットの先行きがある程度見えてきたので、ポンドは経済指標への感応度を高めているようです。24日は1月の製造業PMIが発表されます(市場予想は前月の47.5から48.8に改善)。

 南アフリカの昨年12月のCPI(消費者物価指数)は前年比+4.0%と、市場予想通りながら前月(+3.6%)から加速、南アランド高材料となったようです。


(本日の相場見通し)

 本日23日、日本時間午後9時45分にECBの政策委員会の結果が判明し、午後10時30分からラガルド総裁の会見が予定されています。

 金融政策の据え置きが確実視されています。また、22日時点のOISに基づけば、年内の据え置きが約65%の確率で織り込まれています。そして、年内の利下げと同利上げがそれぞれ約18%と二分しています。金融政策の手詰まり感が強まっている証左でしょう。

 会見では、ラガルド総裁がこれから着手する金融政策の戦略的見直しについて説明する模様です(結論は1年後)。同時にユーロ圏主要国による協調的な財政出動を改めて要請するかもしれません。財政面からの景気刺激が行われるならば、ユーロ高要因となりえます。

 なお、「同盟」と連立を組む「五つ星運動」のディマイオ党首(外相)が辞任しました。「五つ星」の支持率が低下するなか、離党議員が続出するなど党内の求心力を失っていたからです。今後、連立政権崩壊や総選挙の可能性も含めて、イタリアの政局が注目を集めるかもしれません。

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 トランプ大統領の弾劾裁判の初日21日は、裁判の進め方に関する共和党マコネル院内総務の決議案が長時間の審議のすえ可決されました。

 そして、22日に下院の検察団による3日間の冒頭陳述が始まり、次の3日間で弁護団が冒頭陳述を行います。その後は大統領の容疑、すなわち「権力乱用」と「議会妨害」に関する採決が可能となります。ホワイトハウスや共和党幹部は早期決着を求めています。

 もっとも、上院の過半数の賛成(≒共和党議員4人の賛成)があれば、証拠提出や証人喚問が行われます。共和党のなかには、それらを支持する議員もいるとみられます。ポンペオ国務長官ボルトン前大統領補佐官は証言に前向きの意向を表明しており、裁判はある程度長期化する可能性の方が高そうです。

 よほどの新事実が判明しない限りトランプ大統領が罷免されることはなさそうですが、しばらくは弾劾裁判の行方から目が離せません。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。」

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