(AM) メキシコペソ:対円で約8カ月半ぶりの高値

2020/01/20 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・ペソ高の背景には、発効に向けて前進するUSMCAやメキシコの実質金利の高さ
・19日、リビア暫定政権と反政府勢力との会談は行われず。トルコはリビア内戦に関与しており、リビア情勢はリラの動向に影響を与えそう

(欧米市場レビュー)

17日欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.10846米ドル、英ポンド/米ドルは1.30027米ドル、豪ドル/米ドルは0.68705米ドルへと下落しました。米国の12月住宅着工件数が160.8万件と、2006年12月以来の高水準となり、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

本日(20日)は、米国が祝日(キング牧師誕生日)。米株式市場や債券市場は休場です。欧州や米国の主要経済指標の予定もなく、外為市場は手掛かり材料難から全般的に様子見ムードが漂い、比較的落ち着いた値動きになりそうです。ただし、市場参加者が減少して流動性が低下する分、突発的なニュースが出てきた場合には値動きが増幅される可能性があり、注意が必要です。

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メキシコペソは17日、対米ドルで約1年3カ月ぶり、対円で約8カ月半ぶりの高値をつけました。USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が発効に向けて前進していることや、メキシコの実質金利(政策金利から前年比のCPI上昇率を引いたもの)の高さが市場で着目されているようです。メキシコの実質金利は足もとで4.42%(政策金利:7.25%、12月CPI上昇率:2.83%)です。ペソは引き続き底堅く推移する可能性があり、ペソ/円5.977円(2019年4月高値)が目先の上値メドになりそうです。

*メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日20日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

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19日、リビアの問題を話し合うためベルリンで国際会議が開催されました。リビアでは西部の暫定政権と東部のLNA(リビア国民軍)の内戦状態にあります。トルコやカタールなどは暫定政権を、ロシアやサウジアラビアなどはLNAを支援しており、代理戦争の様相も示しています。トルコはリビア内戦に関与しているため、リビア情勢はトルコリラの動向に影響を与えるとみられます。

会議では、「すべての関係国がリビア内戦に干渉することを禁止」し、また「対リビア武器禁輸措置を徹底する」ことなどで参加国は一致しました。一方で、内戦の当事者であるシラージュ暫定政権首相やハフタルLNA司令官はベルリンを訪れたものの、焦点だった “停戦合意文書への署名”は実現しなかったどころか、直接会談すら行われなかったもようです。暫定政権とLNAは12日からいったん停戦しているものの、停戦が今後も続くかは不透明な状況です。LNAがリビア国内のパイプラインを封鎖したとの報道があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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