(PM) メキシコペソ/円が約8カ月ぶりの高値

2020/01/10 15:12

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・中東情勢をめぐる懸念が後退し、ペソ/円の上昇要因に
・メキシコCPI上昇率は3年4カ月ぶりの低水準。BOM(メキシコ中銀)に追加利下げを促す要因となり得る
・ただし、BOMはインフレ圧力の強まりを懸念。下げのハードルはこれまでよりも高くなりそう

メキシコペソ/円は昨日(9日)、約8カ月ぶりの高値を記録しました。中東情勢をめぐる懸念が後退してリスク回避の動きが緩和しており、それが円安材料になると同時に新興国通貨であるペソにとっても追い風となっています。

メキシコの12月CPI(消費者物価指数)が昨日発表され、結果は前年比+2.83%でした。上昇率は11月の+2.97%から鈍化し、2016年8月以来、3年4カ月ぶりの低さを記録。BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標である+3%からさらに下方へ遠ざかりました。

BOMは、2019年12月19日の前回会合まで4回連続で利下げを実施。CPI上昇率のさらなる鈍化は、BOMに追加利下げを促す要因となり得ます。

一方でメキシコでは今月(1月)から1日当たりの最低賃金が20%引き上げられました。賃金の上昇によってインフレ圧力が再び強まりかねないことをBOMは懸念しており、利下げのハードルはこれまでよりも高くなりそうです。

メキシコの実質金利(政策金利とCPI上昇率の差)は4%以上(7.25%-2.83%=4.42%)あり、新興国の平均である3%弱を大きく上回っています。

BOMが今後追加利下げに踏み切ったとしても、そのペースが緩やかならば、メキシコの実質金利は急激に低下しないと考えられます。仮にCPI上昇率が再び高まる兆候があれば、BOMは利下げを休止するなどして対応するとみられます。米FRBなど主要国中銀と比べて高いBOMの政策金利の水準、そしてメキシコの実質金利の高さは今後もメキシコペソの支援材料となりそうです。

BOM政策金利とメキシコCPI上昇率

(出所:リフィニティブより作成)

*メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日10日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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