(AM) 中東情勢をめぐる懸念が高まる

2020/01/06 09:14

デイリーフラッシュ

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

『デイリーフラッシュ』では、投資判断に役立つ情報の提供になお一層努めて参りますので、お取引のご参考にしていただければ幸いです。

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【ポイント】
・米国がイラン軍要人を殺害。イランは報復を明言し、米国は報復すれば攻撃すると警告
・トルコ議会がリビアへの派兵法案を可決。リビア情勢をめぐりトルコと周辺国や米国との関係が悪化するおそれ

(欧米市場レビュー)

1月3日欧米時間の外為市場では、が全面高の展開。一時、米ドル/円は107.845円、ユーロ/円は120.163円、豪ドル/円は74.857円、NZドル/円は71.765円へと下落しました。米国がソレイマニ・イラン革命防衛隊司令官を殺害したことで中東情勢が緊迫化するとの懸念からリスク回避の動きが強まり、円高材料となりました。

(本日の相場見通し)

米国がソレイマニ氏を殺害したことに対し、ハメネイ師(イランの最高指導者)は1月3日、報復すると明言。トランプ米大統領は4日、「イランが報復した場合には重要施設52カ所を直ちに攻撃する」と警告しました。

中東情勢をめぐる懸念から引き続き円高圧力がかかりやすいとみられ、米ドル/円やクロス円は下値を試す可能性があります。中東情勢をめぐる懸念が一段と高まるようなニュースが新たに出てきた場合、円高圧力はさらに強まりそうです。

日足チャートをみると、米ドル/円200日移動平均線(1/3時点で108.658円)を下回っており、心理面からも下押し圧力が加わりやすいとみられます。107.825円(2019/11/1安値)より下の水準で定着した場合、107.000円(心理的節目)に向けてさらに下がる可能性があります。

米ドル/円(日足。2019/9/2~)

(出所:マネースクエアFXチャート)


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トルコ議会は1月2日、トルコ軍をリビアへ派兵する法案を賛成多数で可決しました。リビアでは、西部の暫定政府と東部のLNA(リビア国民軍)が対立しており、国家が分裂状態にあり、トルコは暫定政府を支援する一方、エジプトやサウジアラビア、UAE、ロシアがLNAを支援しています。トルコがリビアへ派兵した場合、LNAを支援する国も軍事介入に踏み切る可能性があり、その場合には内戦は一段と激化するおそれがあります。

また、米国とトルコの関係がさらに悪化する可能性もあります。トランプ米大統領は2日、エルドアン・トルコ大統領との電話会談で「外国勢力の介入はリビアの情勢を複雑化させる」と語り、シリア派兵をけん制しました。

一方、エルドアン大統領とプーチン・ロシア大統領は8日に会談を行い、リビアやシリア情勢を協議する予定です。

中東情勢をめぐる懸念もトルコリラにとってマイナス材料と考えられ、リラは一段と下がる可能性があります。リラ/円は目先の下値メドとして、17.500円(2019/5/9安値)が挙げられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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