(AM) 米下院がUSMCAを承認。メキシコペソにとってプラス材料

2019/12/20 09:01

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国とトルコの関係悪化への懸念からトルコリラに対して下押し圧力
・USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)は発効に向けてさらに前進

(欧米市場レビュー)

19日欧米時間の外為市場では、英ポンドが軟調に推移。一時、ポンド/米ドルは1.29859米ドル、ポンド/円は141.961円へと下落しました。ブレグジット(英国のEU離脱)後の移行期間内にEU(欧州連合)と新たな貿易協定が締結できなければ、“合意なき離脱”と似たような事態になるとの懸念が、引き続きポンドに対する下押し圧力となりました。

BOM(メキシコ中銀)は0.25%の利下げを決定。政策金利を7.50%から7.25%へ引き下げました。利下げは4会合連続です(8月、9月、11月、12月)。BOMの利下げに対するメキシコペソの反応は限定的でした。

(本日の相場見通し)

トルコリラは昨日(19日)、対米ドルで約4カ月ぶり、対円(トルコリラ/円)で約2カ月ぶりの安値を記録しました。

足もとのリラの下落は、米国とトルコの関係が一段と悪化するとの懸念が主な要因です。米議会上院は12日、オスマン帝国が1915~23年に行ったアルメニア人の殺害をジェノサイド(民族虐殺)と認定する決議案を可決。そのことについてエルドアン大統領は15日、「必要ならインジルリク空軍基地(米国は同基地に核弾頭を配備)を閉鎖する」と述べ、対抗措置をとる可能性に言及しました。

また、トルコによるS400(ロシア製地対空ミサイルシステム)導入問題も両国の関係を悪化させています。

トルコリラには引き続き下押し圧力が加わりやすいとみられ、リラ/円18.147円(10/15安値)に向けて下がる可能性があります。

***

米議会下院は19日(日本時間20日早朝)、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定“USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)”を385対41の賛成多数で可決。上院へ送付しました。

マコネル共和党上院院内総務は、来月(2020年1月)にも始まるトランプ大統領の弾劾裁判終了後にUSMCAを採決する方針を示しています。上院も可決する見込みです。

一方、メキシコ議会は12月12日に承認済みカナダ議会の承認は2020年1月27日以降の見通しです(カナダ議会は1月26日まで閉会のため)。USMCAは3カ国すべての批准手続きが完了してから3カ月後に発効します。

米下院が可決し、USMCAが発効に向けてさらに前進したことは、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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