(AM) メキシコペソ:USMCAの行方に注目

2019/12/10 08:59

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・「米通商代表部代表と民主党がUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)修正案で合意に近づいている」との報道。両者は実際に合意するか
・米国がUSMCAを承認すれば、USMCAは発効に向けて前進。ペソの上昇要因となりそう

(欧米市場レビュー)

9日欧米時間の外為市場では、英ポンドが強含み。ポンド/米ドルは1.31米ドル台半ば、ポンド/円は142円台後半で推移しました。調査会社サーベーションが実施した英国の世論調査で、保守党(与党)が労働党(最大野党)に対する支持率のリードが14%と、前週の9%から拡大し、ポンドの支援材料となりました。英国では12日に総選挙が実施されます。

メキシコペソも底堅く推移。一時、ペソ/円は5.633円へと上昇し、米ドル/ペソは19.20ペソ近辺へと下落しました。米WSJ紙の報道を受けて米国でのUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)合意への期待が高まり、ペソの支援材料となりました(*後述)。

(本日の相場見通し)

米国は中国と貿易協議で合意できなければ、対中追加関税(約1600億米ドル相当分の輸入品に対して)を12月15日に発動する予定です。15日が迫るなか、市場の関心は米中貿易協議の行方対中追加関税発動の方針に変更はないのかへと向かいそうです。それらの報道が新たに出てくれば、市場が反応しそうです。米ドル/円は引き続き、上値が200日移動平均線(9日時点で108.830円)、下値は108.246円(11/14安値)が目先の上値メドになりそうです。

USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)にも注目する必要がありそうです。米WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙は8日、「ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表と下院民主党(野党)は、USMCAの修正案で合意に近づいている」と報じました。

米国、カナダ、メキシコの3カ国首脳は2018年11月にNAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定USMCAに署名。ただ、USMCAの発効には3カ国すべての議会承認が必要です。メキシコは2019年6月に承認しましたが、米国とカナダは未承認。カナダは米国の承認を待つ姿勢を示しているため、米国が承認するかが焦点となっています。

米国の承認が遅れているのは、下院で多数を占める民主党が内容の修正を求めているためであり、ライトハイザーUSTR代表と民主党はUSMCA修正案について協議を続けてきました。

米国の承認が遅れてUSMCA発効のメドがたたないことが、メキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなっています。

本日(10日)、ライトハイザーUSTR代表とクシュナー米大統領上級顧問がUSMCA修正案について協議するため、メキシコを訪問する予定。協議には、フリーランド・カナダ副首相も参加します。

USMCA修正案についてライトハイザー代表と民主党が合意する、あるいは米国が提案する修正案をメキシコやカナダが了承すれば、USMCAは発効に向けて前進することになります。その場合、メキシコペソの上昇要因となりそうです。

*メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日10日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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