(PM) 米国とメキシコがUSMCAの修正について協議

2019/12/05 16:08

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の発効には、3カ国すべての議会承認が必要
・民主党が内容の修正を要求しており、米国はUSMCAを未承認
・民主党は労働基準順守を監視する査察官を置くことを提案。メキシコはそれに反発
・USMCA発効のメドがたたないことがメキシコペソの重石に

ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表とセアデ・メキシコ外務次官は4日、ワシントンでUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の修正について協議しました。

米、メキシコ、カナダは2018年11月にUSMCAに署名。USMCAの発効には3カ国すべての議会で承認される必要がありますが、現時点で承認したのはメキシコのみ。米国とカナダは未承認です。米国の承認が遅れているのは、下院で多数を占める民主党が内容の修正を求めているためです(カナダは米国の承認を待つ姿勢)。

民主党はバイオ医薬品保護や環境に関する条項の修正のほか、労働規定の実効性を確保するためにメキシコが労働基準を順守しているかを監視する査察官を置くことを提案。トランプ政権と民主党は協議を続けています。

一方、査察官を置く提案にメキシコは反発しています。ロペスオブラドール大統領は3日、「査察官による監視は受け入れられない」と述べ、「USMCAを修正するなら、メキシコ上院(議会)の承認が必要だ」と強調。セアデ外務次官は4日のライトハイザーUSTR代表との会談後、USMCAの修正について「協議は進展しており、数日中に(米国と)合意に達する可能性はある」としながらも、解決すべき問題がいくつか残っており、「メキシコが受け入れ不可能なこともある」と語りました。

ライトハイザーUSTR代表とセアデ・メキシコ外務次官は5日も協議を行う予定です。USMCA発効のメドがたたないことがメキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなっています。そのため、USMCAの先行き不透明感が払しょくされればペソの上昇要因となり得る一方、不透明感が残る限り、ペソは上値が重い展開になりそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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