(AM) 前日と一転し、米中貿易合意への期待高まる

2019/12/05 09:18

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中貿易協議に関する報道によってそれまでの相場状況が変化する可能性あり
・カナダ中銀の利下げ観測が後退

(欧米市場レビュー)

4日欧米時間の外為市場では、が反落。一時、米ドル/円は108.922円、ユーロ/円は120.767円、豪ドル/円は74.592円、NZドル/円は71.099円へと上昇しました。トランプ米大統領の発言などを受けて米中が貿易協議で合意するとの期待が再び高まり(*後述)、リスク回避の動きが後退。円安材料となりました。

カナダドルは堅調に推移。一時、米ドル/カナダドルは1.31米ドル台へと下落し、カナダドル/円は82.521円へと上昇しました。BOC(カナダ中銀)の声明を受けて利下げ観測が後退し、カナダドルを押し上げました(*後述)。

(本日の相場見通し)

昨日(4日)、ブルームバーグは複数の関係者の話として、「米中は貿易協議の第1段階で、(発動済みの)追加関税の撤廃の規模について合意に近づいている」と報道。また、トランプ米大統領は「中国との貿易協議は極めて順調だ」と語りました。

米国は12月15日までに中国と貿易協議の“第1段階”で合意できなければ、対中追加関税(約1600億米ドル相当)を発動する予定。12月15日が迫るなか、市場は米中貿易協議に関する報道に一喜一憂する展開となっています。

一昨日(3日)は、トランプ大統領が「中国との貿易協議の合意に期限は設けていない。(2020年11月の)大統領選挙後まで待つ方が良いのではとも思う」と述べたことで、リスク回避の動きが強まって円高に振れました。昨日はブルームバーグによる報道やトランプ大統領の発言によって一転してリスク回避の動きは後退、円安が進みました。

米中貿易協議に関する報道に一喜一憂する展開は当面続くとみられます。米中貿易協議に関する報道に要注意です。

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BOC(カナダ中銀)は4日、政策金利を1.75%に据え置くことを決定。BOCは2018年10月に利上げ(0.25%)して以降、政策金利を据え置いており、今回で9会合連続です。

声明では、世界経済について、「安定化しつつある初期兆候がみられており、(世界経済の)成長は今後数年にかけて小幅に加速する」と予想。一方で、「貿易摩擦やそれに関連する不透明が依然として世界経済の重石となっており、引き続き見通しにとって最大のリスク要因」としました。

カナダ経済については、「成長は7-9月期に+1.3%に減速したが、賃金の堅調な伸びを背景に個人消費は緩やかに拡大し、住宅投資も力強かった」と指摘。カナダの物価動向については、「コアインフレはBOCの目標(+2%)近辺で推移しており、今後2年間はこの水準近辺で推移するとみられる」としました。

声明は、「10月以降の動向に基づき、政策金利は現行水準に維持することが適切と判断した」と表明。一方で、前回10月の「貿易摩擦や不確実性が続くなか、カナダ経済の回復力がますます試されていることに留意している」との文言を削除しました。

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BOCは声明で、世界経済が安定化しつつあり、カナダ経済は底堅いとの見方を示し、コアインフレはBOCの目標水準近辺で推移すると予想しました。また、「貿易摩擦や不確実性が続くなか、カナダ経済の回復力がますます試されていることに留意している」との文言も削除しました。

声明をみる限り、BOCが利下げに向かう可能性は低下したとみられます。市場では利下げ観測が後退しており、カナダドルは堅調に推移しそうです。米ドル/円の動向にも影響を受けますが、カナダドル/円83.061円(11/7高値)超えを試す可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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