(AM) 米国の対トルコ制裁への懸念が高まる!?

2019/11/27 08:54

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中貿易協議に関する報道
・米大統領は香港人権・民主主義法案に署名するか否か
・トルコがS400のレーダー試験を開始したことへの米国の対応

(欧米市場レビュー)

26日欧米時間の外為市場では、英ポンドが弱含み。一時、ポンド/米ドルは1.28351米ドル、ポンド/円は139.990円へと下落しました。世論調査で保守党(与党)の労働党(最大野党)に対するリードが縮小し、ポンドの重石となりました。

ロウRBA(豪中銀)総裁は26日、「豪州でQE(量的緩和)が必要になるとは考えていない」と述べ、「政策金利が0.25%に低下しない限り、QEは検討しない」と発言。また、「マイナス金利を導入する可能性は非常に低い」との見方も示しました。RBAの現在の政策金利は過去最低の0.75%です。ロウ総裁の発言を受けて、豪ドル/米ドルや豪ドル/円が上昇しましたが、上昇は一時的でした。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領は昨日(26日)、米中貿易協議の“第1段階”について、「われわれ(米中)は非常に重要な取引に向けて最後の苦しみを味わっている」としつつも、「取引は非常にうまくいくだろう」と語り、楽観的な見方を示しました。

市場の関心は引き続き、米中貿易協議に関する報道に向かいそうです。足もとでは米中貿易合意への期待感からが弱含んでおり、米ドル/円やクロス円が底堅く推移しています。この状況は継続する可能性があります。

また、トランプ大統領が“香港人権・民主主義法案”に署名するかも注目されそうです。米上下両院は先週、“香港人権・民主主義法案”を可決。トランプ大統領が署名すれば法案は成立しますが、トランプ大統領は態度を明確にしていません。中国は香港人権・民主主義法案について内政干渉だと反発しています。トランプ大統領が同法案に署名した場合、中国との関係が悪化して貿易協議にも影響を与える可能性があります。

本日(27日)は、米国の経済指標が数多く発表され、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます。米景気動向やFRB(米連邦準備理事会)の金融政策は市場のテーマからこのところ外れている感があるものの、経済指標の結果が市場予想と大きく異なる、あるいはベージュブックの内容次第では米ドルが反応する可能性はあります。

本日発表の米国の主な経済指標と市場予想は、以下の通りです。
<22:30発表>
・7-9月期GDP改定値(前期比年率):+1.9%
・10月耐久財受注(前月比):-0.8%
・新規失業保険申請件数:22.1万件
<23:45発表>
・11月シカゴ購買部協会景気指数:47.0
<24:00発表>
・10月PCEコアデフレーター(前年比):+1.7%

***

アカル・トルコ国防相は26日、S400(ロシア製地対空ミサイル)のレーダー試験を25日に開始したことを明らかにしました。ポンペオ米国務長官は同日、「S400をめぐるトルコの行動は懸念すべきことだ」と述べる一方、「われわれは(S400の問題について)トルコと協議中だ」とも語りました。米国はF35戦闘機などの軍事機密がロシアに漏えいするおそれがあるとして、トルコに対してS400を破棄するように強く要請。「破棄しなければ、制裁を科す可能性がある」と警告しています。トルコがS400のレーダー試験を開始したことで、市場では米国の対トルコ制裁への懸念が高まりそうです。トルコリラには下押し圧力が加わるかもしれません。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ