(AM) 米ドル/円やクロス円は上値が重い展開か

2019/11/21 09:01

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・「米中貿易協議の“第1段階”の合意は2020年にずれ込む可能性がある」との報道
・香港情勢をめぐる米中両国の対応

(欧米市場レビュー)

20日欧米時間の外為市場では、豪ドルが軟調に推移。一時、豪ドル/米ドルは0.67901米ドル、豪ドル/円は73.638円へと下落しました。米中貿易協議の先行き不透明感が豪ドルの重石となりました。中国は豪州最大の貿易相手であり、輸出の約3割が中国向けです。

米ドル/円やユーロ/円、ユーロ/米ドルは方向感に欠ける展開。いずれも前日(19日)のNY終値水準を挟んで推移しました。

(本日の相場見通し)

ロイターは昨日(20日)、米ホワイトハウス関係筋の話として、「米中貿易協議の“第1段階”の合意は2020年にずれ込む可能性がある」と報道。中国が米国に(これまでに課した)関税撤廃の拡大を要求しており、それを受けて米国も中国への要求を強めているとのことです。

トランプ米大統領は今朝(日本時間)、「貿易協議で私が望むレベルに中国が達しているとは思わない」と語りました。米中が近いうちに貿易協議“第1段階”で合意する可能性は低下しているように見えます。

また、香港情勢をめぐり米中の関係が悪化する可能性があります。米上院(議会)は19日、“香港人権・民主主義法案”を全会一致で可決しました(下院も20日に可決)。それに中国は反発。中国外務省報道官は昨日(20日)、「(上院の法案可決を)中国は強く非難し、断固反対する」と表明し、「米国が中国への内政干渉をただちに止めなければ、悪い結果が跳ね返ってくるだろう」と発言。香港人権・民主主義法案が成立(トランプ大統領が署名すれば成立)すれば、中国は報復措置を取ることを示唆しました。

米中貿易協議の先行き不透明感や両国の関係悪化への懸念から、米ドル/円クロス円は上値の重い展開が予想されます。報道や要人の発言によって貿易協議“第1段階”の合意への期待が市場で一段と後退する、あるいは米中の関係悪化への懸念がさらに高まる場合、リスク回避の動きが強まり、米ドル/円やクロス円は下値を試す可能性もあります。米ドル/円は引き続き、 107.825円(11/1安値)が下値メドになりそうです。

本日(21日)は、SARB(南アフリカ中銀)が政策金利を発表します(日本時間22:00過ぎ)。その結果に南アフリカランドが反応する可能性があります。*SARBの政策金利については、20日の『デイリーフラッシュ(PM)』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。