(AM) 米中貿易協議は難航!?

2019/11/15 09:10

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中が貿易協議第1段階に合意できるか不透明な情勢に!?
・USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)をめぐる米議会の動向

(欧米市場レビュー)

14日欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は108.246円、ユーロ/円は119.257円、豪ドル/円は73.369円へと下落しました。米中貿易協議に関する英FT(フィナンシャル・タイムズ紙)の報道を受けてリスク回避の動きが強まり、円高材料となりました(*後述)。

BOM(メキシコ中銀)は0.25%の利下げを決定。政策金利を7.75%から7.50%へと引き下げました。利下げは3会合連続。決定は3対2で、反対した2人は0.50%の利下げを主張しました。

(本日の相場見通し)

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は13日、「中国は米国を一方的に有利にする合意は望んでおらず、状況が悪化した場合には中国はいつでも米農産品の購入を停止することが可能だ」と関係筋が語ったと報道。

英FT紙は昨日(14日)、「米国と中国は貿易協議“第1段階”の合意の取りまとめに難航しており、12月15日までに合意できない可能性がある」と報じました。米国は12月15日に新たに対中追加関税を発動する予定です。

本日(15日)も引き続き、米中貿易協議に関する報道に注意が必要です。米中が貿易協議“第1段階”に合意できるかどうか不透明な情勢になっていることから、米中貿易協議に関して新たな報道が出てこなければ、米ドル/円クロス円は上値が重い展開になりそうです。米ドル/円は引き続き、上値が200日移動平均線(14日時点で108.995円)、下値は107.825円(11/1安値)が上下のメドになりそうです。

本日はまた、米国の11月NY連銀製造業景気指数10月小売売上高が発表されます(いずれも日本時間22:30)。FRB(米連邦準備理事会)の利下げ休止観測があるなか、それらの結果が市場予想を上回れば、利下げ休止観測は一段と高まり、米ドルが堅調に推移する可能性があります。市場予想は、NY連銀製造業景気指数が5.0、小売売上高が前月比+0.2%です。

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ペロシ米下院議長は昨日、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)について、「民主党(野党)とトランプ政権は協議で近く合意する可能性がある」との見方を示し、「年内に(USMCAの議会承認を)終えることが目標だ」と語りました。

米、メキシコ、カナダの3カ国首脳は2018年11月、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定“USMCA”に署名しました。ただし、USMCAの発効には3カ国すべての議会承認が必要。メキシコは2019年6月に承認しましたが、米国とカナダは未承認。カナダは承認手続きについて米国を待つ方針を示しているため、米国が承認すればカナダも続くとみられます。

USMCAの発効のメドがたたないことがメキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなっています。そのため、米国が承認してUSMCAが発効に向けて前進すれば、ペソの上昇要因になると考えられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。