(AM) 英政局の先行き不透明感が後退!?

2019/11/12 08:57

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・英ブレグジット党は総選挙(12/12実施)で保守党(与党)と争わない方針
・保守党が議会で過半数を獲得する可能性が高まり、ポンドの支援材料になりそう
・本日12日、トランプ米大統領が講演する予定。その内容に市場が反応する可能性も

(欧米市場レビュー)

11日欧米時間の外為市場では、英ポンドが堅調に推移。一時、対米ドルで1.29米ドルちょうど近辺、対円で140.467円へと上昇しました。12月12日の総選挙で保守党が勝利する可能性が高まるとの見方が市場で強まり、ポンドの上昇材料となりました(*後述)。

米ドルは弱含み。一時、米ドル/円は108.898円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.10421米ドル、NZドル/米ドルは0.63679米ドルへと上昇しました。米中貿易協議をめぐる不透明感が米ドルの重石となりました。トランプ米大統領は8日に対中追加関税の撤廃について「(中国と)何も合意していない」と述べ、翌9日には「米国にとって適切な内容である場合に限り合意する」と語りました。

(本日の相場見通し)

英ブレグジット党(野党)のファラージ党首は昨日(11日)、EU離脱は危機にひんしているとしたうえで、親EU派の候補が議席を獲得することや2度目の国民投票の実施を阻止するため「12月12日の総選挙(定数650)では、前回(2017年)選挙で保守党(与党)が議席を獲得した317の選挙区には(ブレグジット党は)候補者を擁立しない」と表明。「2017年のマニフェスト(政権公約)を完全に破った労働党の議席を奪うことに集中する」と述べました。

保守党とブレグジット党が競合すればEU離脱を支持する票が割れ、その結果として労働党が有利になるとの見方がありました。労働党は政権を獲得した場合には2度目の国民投票を実施する方針を示しています。

保守党とブレグジット党の競合が避けられることにより、保守党が議会で過半数を獲得する可能性が高まったと考えられます。英政局の先行き不透明感がやや和らいだことで、英ポンドは堅調に推移しそうです。米ドル/円の動向にも影響を受けますが、ポンド/円は今後141.447円(10/17高値)に迫るかもしれません。

米中貿易協議や関税の撤廃に関する報道、そして香港情勢にも注意が必要です。トランプ米大統領が本日(12日)、NY・エコノミッククラブで講演する予定です。講演で米中貿易協議や追加関税、FRB(米連邦準備理事会)の金融政策について言及されれば、市場が反応する可能性があります。また、香港情勢が一段と緊迫化した場合、リスク回避の動きが強まるかもしれません。リスク回避は円高材料となる一方、資源・新興国通貨の下押し安材料です。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。