(AM) 南アフリカランド急落。日銀会合に要注目!!

2019/10/31 09:19

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米FRBは利下げ休止を示唆
・カナダ中銀は2020年と21年の成長率見通しを下方修正。会合では利下げも検討
・南アフリカの格下げ懸念が高まる。ムーディーズは11/1に格付けを発表

(欧米市場レビュー)

10月30日欧米時間の外為市場では、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表後に米ドルが上下に振れました。

FOMCは市場予想通り0.25%の利下げを決定。政策金利を1.75-2.00%から1.50-1.75%に引き下げました。声明では「景気拡大を維持するため“適切に行動する”」との文言が削除されたうえ、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長がFOMC後の会見で「現在の金融政策スタンスが適切であり続ける可能性は高い」と発言。利下げ休止が示唆されたことで米ドルが買われ、一時米ドル/円は109.261円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.10811米ドル、NZドル/米ドルは0.63157米ドルへと下落しました。

その後、パウエル議長が「利上げするにはインフレ率の著しい上昇が必要だ」と語ると、市場では“早期の利上げもない”との見方から一転して米ドル売りへ。米ドル/円やユーロ/米ドル、NZドル/米ドルはそれぞれ、それまでの上げ幅や下げ幅をほぼ消しました。

*FOMCについては、本日31日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

カナダドルは下落。カナダドル/円は一時、82.494円へと値を下げました。BOC(カナダ中銀)は政策金利を1.75%に据え置くことを決定しました。一方で、2020年と2021年のカナダのGDP成長率見通しを下方修正し、声明で「貿易摩擦や不確実性が続くなか、カナダ経済の回復力がますます試されていることに留意している」と指摘。また、ポロズBOC総裁は会見で“会合では保険的な利下げも検討した”ことを明らかにしました。

<BOCのGDP成長率見通し>
( )は7月時点の見通し
・2019年:+1.5%(+1.3%)
・2020年:+1.7%(+1.9%)
・2021年:+1.8%(+2.0%)

南アフリカランドは急落。ランド/円は一時、7.218円へと下落しました。南アフリカの中期財政計画の内容がランドへの下落材料となりました(*後述)。

(本日の相場見通し)

本日(10/31)、日銀の政策会合が開催されます(結果発表は通常正午頃)。金融政策については、市場の見方は現状維持と0.10%の利下げ(マイナス金利の深掘り)で分かれています(現状維持がやや有力)。見方が分かれているだけに、日銀がいずれの決定を下したとしても、米ドル/円やクロス円が反応しそうです。現状維持が決定された場合、円高が進んで米ドル/円やクロス円は下がる可能性があります。

*日銀会合の注目点は、29日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

ムボウェニ南アフリカ財務相は昨日(10/30)、中期財政計画を発表。以下のように、財政赤字や公的債務が今後増大するとの見通しを示すとともに、2019年のGDP成長率見通しを下方修正しました。

<中期財政計画>
・今年度(2020年3月まで)の財政赤字の見通しを従来の対GDP比4.5%から5.9%へと上方修正し、財政赤字は2020/21年度に6.5%に達すると予想
・公的債務は2022/23年度に71.3%(今年度の推計は60.8%)へと上昇するとの見通し
・2019年のGDP成長率見通しを従来の+1.5%から+0.5%へと下方修正

明日(11/1)、ムーディーズ(米格付け会社)が南アフリカの格付けを発表する予定です。ムーディーズにおける南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)は投資適格級最低の“Baa3”。格下げされればジャンク(投機的等級)へと転落します。

これまで市場では“格下げは回避される”との見方が有力でした。それが中期財政計画を受けて市場の見方は変化し、格下げされるとの懸念が高まっています。明日のムーディーズによる格付け発表を控え、格下げへの警戒感から南アフリカランドは軟調に推移しそうです。

*南アフリカランド/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

topへ