(AM) EUは離脱期限で合意。英議会は総選挙動議を否決

2019/10/29 08:49

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・EU大使級会合は英国の離脱期限を3カ月延期することで合意
・10月31日の合意なき離脱の可能性は消滅
・英議会は12月12日の総選挙の動議を否決
・米ドル/円は200日移動平均線に接近

(欧米市場レビュー)

28日欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は108.998円、ユーロ/円は120.943円、豪ドル/円は74.539円、NZドル/円は69.198円へと上昇しました。トランプ米大統領が米中貿易協議の第1段階について、「予定よりも早く、かなり大きな合意に署名する可能性がある」と発言。米中貿易協議の進展への期待からリスク回避の動きが後退し、円安材料となりました。

(本日の相場見通し)

EU大使級会合は昨日(28日)、英国の離脱期限を最長で2020年1月31日まで延期することで合意。報道によると、英国はそれより前に離脱することもでき、英議会とEU議会の双方が離脱協定案を11月中に承認して批准手続きを完了すれば12月1日の離脱、12月中の承認・批准手続き完了なら2020年1月1日の離脱も可能になるとのこと。また、“離脱協定案の再交渉は認めない”、“EUの将来についてEU諸国が英国抜きで協議することを認める”などの条件が盛り込まれたようです。

一方で英議会は同日、ジョンソン首相が提案した「12月12日の総選挙実施」の動議を否決。可決には下院(定数650)の3分の2(434人)以上の賛成が必要でしたが、賛成は299人にとどまり、労働党(最大野党)議員の多くは投票を棄権しました。

英ポンドは引き続き、ブレグジット(英国のEU離脱)関連の報道英政局の動向に注意が必要です。英政局には先行き不透明感があるものの、EUが離脱期限の延期を認めたことで、10月31日の“合意なき離脱”の可能性は消滅しました。市場では後者が意識されて、ポンドは目先堅調に推移しそうです。ポンド/円は目先のメドとして、上値が141.447円(10/17高値)、下値は200日移動平均線(28日時点で138.699円)が挙げられます。

米ドル/円は昨日、約3カ月ぶりの高値を記録しました。米中貿易協議の進展への期待が引き続き米ドル/円を下支えするとみられます。一方で、200日移動平均線(28日時点で109.043円)に接近しているため、心理面から“売り(米ドル売り/円買い)圧力”が加わりやすいと考えられ、上値も重くなるかもしれません。200日移動平均線より上の水準に定着すれば、次は109.279(8/1高値)や110.000円(心理的節目)がメドになりそうです。

米ドル/円(日足。2019/5/1~)

(出所:マネースクエアFXチャート)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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