(AM) 本日28日、英議会が総選挙の動議を採決

2019/10/28 09:36

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・EU大使級会合は英国の離脱期限を延期することで合意
・ただし、大使級会合は延期期間について意見がまとまらず、決定を先送り
・英議会は本日、英首相による動議(12/12の総選挙実施)を採決
・労働党は動議に反対する姿勢。動議の可決は困難か
・米中貿易協議の進展への期待が高まる可能性あり

(欧米市場レビュー)

25日欧米時間の外為市場では、英ポンドが軟調に推移。一時、対米ドルで1.28米ドルちょうど近辺、対円で138.986円へと下落しました。EUは英国の離脱期限を延期することで合意。ただ、延期の期間については意見がまとまらず、決定を先送りし、それがポンドの重石となりました。

ユーロも弱含み。英ポンドに連れ安する格好となり、一時ユーロ/米ドルは1.1198米ドル、ユーロ/円は120.775円へと下落しました。

(本日の相場見通し)

報道によると、25日のEUの大使級会合では、“英国のEU離脱期限は2020年1月31日”とする案にフランスのみが反対。フランスは“離脱期限は11月30日か、それより前”を主張した模様です。

EUは本日(28日)、大使級会合を再度開き、以下の案を協議する予定です。
・英国の離脱期限を3カ月間延期して2020年1月31日とする
・英国とEUのいずれも離脱協定案を早期に承認できれば、11月30日、あるいは12月31日の離脱も可能とする
・離脱協定案の再交渉は認めない

一方、英下院(議会)は本日、ジョンソン首相が提案した“議会を解散し、12月12日に総選挙を行う”との動議を採決する予定です。英国では議会の解散には、下院(定数650)の3分の2以上の賛成が必要。保守党(与党)は過半数を割り込んでおり、ジョンソン首相の動議が可決されるためには、最大野党の労働党の賛成が不可欠です。コービン党首は25日、「ジョンソン首相の離脱案には“合意なき離脱”の可能性が残っている」としたうえで、「選挙はそれ(合意なき離脱の可能性)が排除されてからだ」と発言。解散総選挙の動議に反対する姿勢を示しました。

英ポンドは引き続き、ブレグジット(英国のEU離脱)関連の報道に反応しやすい地合いになりそうです。EUの大使級会合や英政局の動向に注目です。EUの大使級会合で3カ月間の離脱期限延期が決定されたとしても、英議会が解散総選挙の動議を否決した場合、市場では英政局の混乱の方が強く意識されて、英ポンドは軟調に推移する可能性があります。

***

米中は25日、貿易問題について閣僚級による電話協議を開催。協議では、米国が中国から調理済み鶏肉とナマズ製品を購入する一方、中国は米国産鶏肉の輸入禁止措置を解除することで合意しました。中国商務省によると、米中両国は近いうちに閣僚級による電話協議を再び行います。

米中貿易協議で前進がみられたほか、電話協議が再度行われることで、市場では米中貿易協議の進展への期待が高まる可能性があります。その場合、円が軟調になりやすいとみられ、米ドル/円やクロス円は底堅く推移しそうです。ただ、米ドル/円は約5カ月にわたり、109円に近づくと反落する展開が続いています。そのうえ、109円付近には200日移動平均線(25日時点で109.052円)が位置しています。109円に接近する場面では、“売り(米ドル売り/円買い)圧力”が強まるとみられます。

*米ドル/円のテクニカル分析は、本日28日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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