(AM) 英とEUは離脱協定案で合意。トルコは米国と軍事作戦停止で合意

2019/10/18 09:10

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・19日、英議会がEU離脱協定案を採決。議会は承認するか
・トルコと米国は、トルコがシリア北部での軍事作戦を120時間停止することで合意

(欧米市場レビュー)

17日欧米時間の外為市場では、英ポンドが乱高下しました。「英国とEUが離脱協定案で合意に達した」と伝わると、ポンドが急伸。一時、対米ドルで1.29米ドル台後半、対円で141.447円へと上昇しました。ただその後、保守党(英与党)に閣外協力しているDUP(民主統一党)が「離脱協定案を支持しない」と表明すると、ポンドは急反落。一時、対米ドルで1.27米ドル台半ば、対円で138.573円へと値を下げ、離脱協定案合意報道後の上げ幅をほぼ消す場面がありました。

トルコリラは堅調。対円で一時18.595円へと上昇しました。ペンス米副大統領がアンカラを訪問し、エルドアン・トルコ大統領と会談。ペンス副大統領は会談後に「トルコはシリアでの軍事作戦を120時間休止することに同意した」と語り、それがリラの上昇材料となりました。

(本日の相場見通し)

昨日(17日)、英政府とEUが離脱協定案に合意し、英国を除くEU加盟27か国の首脳は全会一致でそれを承認しました。

ただ、離脱協定案の施行には英議会の承認が必要。英議会は19日に離脱協定案の採決を行いますが、DUP(民主統一党。保守党政権に閣外協力)が離脱協定案に反対する意向を表明していることで、離脱協定案が承認されるかは不透明な情勢です。

市場の関心は英議会での採決に向かうとみられ、それに関する報道や観測に英ポンドが上下動する展開になるとみられます。離脱協定案の承認への期待が高まれば、ポンドは上昇しそうです。

また、議会採決は土曜日です。外為市場は週明け月曜日(21日)に窓をあける可能性があるため要注意です(特にポンド)。

*本日18日の『ファンダメ・ポイント』は“ブレグジット、ついに決着か”です。
*英ポンド/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

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エルドアン・トルコ大統領とペンス米副大統領は昨日、トルコがシリア北部での軍事作戦を120時間休止することで合意しました。トルコは国境からシリア側に約30キロメートルに非武装の“安全地帯”を設置し、そこからクルド人勢力を排除したい考えです。軍事行動の休止は、クルド人勢力が安全地帯から退避する猶予を与えるためとみられます。クルド人勢力はすでに安全地帯から退避を開始しているようです。

ペンス副大統領はまた、「停戦が実施された場合、米国はトルコに対して追加制裁を科さない」と述べ、「トルコが軍事作戦を終了すれば、対トルコ制裁を解除する」とも語りました。

トルコが9日にシリア北部における軍事作戦を開始したことで、市場は米国とトルコの関係悪化を懸念し、トルコリラには下押し圧力が加わっていました。シリア情勢には引き続き注意は必要ですが、トルコが停戦に応じたことでトルコリラへの下押し圧力は弱まるかもしれません。

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本日は、中国の7-9月期GDP(国内総生産)が発表されます(日本時間11:00)。市場予想は前年比+6.1%と、4-6月期の+6.2%から減速するとみられています。市場予想以上に成長率が鈍化した場合、中国景気の先行き懸念が強まると見られる一方、政府による景気刺激策への期待が高まることも考えられます。中国の景気減速は豪ドルNZドルにとってマイナス材料ですが、後者の方が市場で強く意識された場合、豪ドルやNZドルは底堅く推移する可能性もあります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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