(AM) シリア情勢を巡ってトルコリラが大幅下落

2019/10/08 08:34

デイリーフラッシュ


【ポイント】
・トルコリラ/円は先週末比3%近く下落
・トランプ大統領は、対シリア攻勢が「一線を超えたら、トルコ経済を破壊する」と警告
・中国が貿易交渉の工程表用意との報道で米ドルが上昇
・シリア情勢、米中貿易協議、ブレグジット関連の材料に注意

(欧米市場レビュー)

 7日欧米時間の外為市場では、トルコリラが大幅に下落。トルコリラ/円は一時3%近く下落し、18.200円近辺をつけました。
 トランプ大統領は米軍のシリアからの撤退を決定し、トルコ軍の対シリア攻勢を静観する構えをみせました。しかし、方針転換を共和党議員からも批判されたことで、トランプ大統領は「トルコ軍が一線を超えたら、トルコ経済を破壊する」と警告。それにリラが反応した格好です。

 米ドルは主要通貨に対して上昇。米中貿易協議では、中国は交渉範囲を限定して産業政策や補助金の改革にコミットしないとの劉鶴副首相の発言が伝えられていました。ただ7日には、中国が困難な問題については来年交渉するための工程表を作成する用意があるとの報道があり、米ドルを押し上げました。

 豪ドルNZドル南アランドなどの資源新興国通貨は軟調。中国が貿易協議での交渉範囲を限定するとの報道が重石となりました。原油価格が下げ止まったことで、カナダドルは対米ドルでほぼ横ばいでした。

(本日の相場見通し)

 本日8日から14日まで英議会が停止されます。先週ジョンソン英首相が提示した新たなブレグジット協定案はEUに受け入れられませんでした。10月31日の期日が迫るなか、「合意なき離脱」の可能性は残ります。

 英議会が成立させた離脱延期法に関連して、スコットランドの法廷はジョンソン首相にさらなる義務を課さない判断を下しました。ただ、同法廷は、19日までに合意できない場合はEUに離脱延期を申請するとのジョンソン首相の意思を確認したとしました。ジョンソン首相が「合意なき離脱」に踏み切るのは難しくなったかもしれません。

 本日は目立ったイベントはありません。トルコ・シリア情勢で迷走するトランプ大統領の対応、米中貿易協議に関する新たな報道、ブレグジット関連の動きなどが引き続き相場材料になるかもしれません。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。」