(AM) 英下院がEU離脱延期法案を可決

2019/09/05 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・EU離脱延期法案は上院へと送られ、上院が可決すれば成立
・英首相は解散総選挙を提案したものの、下院はその提案を否決
・10月31日の“合意なきEU離脱”の可能性が低下し、英ポンドは目先底堅く推移しそう
・ただし、英政局関連の報道によってポンドは状況が大きく変わる可能性あり

(欧米市場レビュー)

4日欧米時間の外国為替市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は106.403円、ユーロ/円は117.359円、豪ドル/円は71.667円、NZドル/円は67.645円へと上昇しました。林鄭月娥・香港行政長官が逃亡犯条例改正案の正式撤回を表明。それを受けて香港情勢の改善への期待からリスク回避の動きが後退し、円安材料となりました。

英ポンドは上昇。ポンド/円は一時、130.209円へと値上がりしました。英下院(議会)がEU離脱延期法案を可決したことが、ポンドの支援材料となりました。

カナダドルも堅調。カナダドル/円は一時、80.479円へと上昇しました。BOC(カナダ中銀)が声明で利下げを示唆しなかったことで、市場ではBOCの10月利下げ観測が後退し、カナダドルを押し上げました。

(本日の相場見通し)

英下院は昨日(4日)、EU離脱延期法案を可決しました(賛成327、反対299)。法案は、「10月19日までに英議会が離脱協定案を可決するか、議会で合意なき離脱の承認を得られなければ、政府はブレグジット(英国のEU離脱)の3カ月延期(2020/1/31まで)をEUに要請する」という内容です。法案の審議は上院へと移り、上院が可決すれば成立します。

下院でのEU離脱延期法案可決を受けて、ジョンソン英首相は議会を解散して10月15日に総選挙を実施することを提案。解散には下院(定数650)で3分の2(434人)以上の賛成が必要ですが、結果は賛成298・反対56となり(野党の大半は棄権)、ジョンソン首相の提案は否決されました

下院がEU離脱延期法案を可決し、10月31日の“合意なき(EU)離脱”の可能性が低下したことで、英ポンドは目先底堅く推移するかもしれません。米ドル/円の展開次第ではありますが、ポンド/円130.667円(8/22高値)を超える可能性があります。

ただし、ジョンソン首相と議会の対立は今後も続きそうです。ジョンソン首相は引き続き、10月31日のブレグジット(たとえEUと合意しなくても)を模索するとみられます。EU離脱延期法案の成立を阻止するため、保守党(与党)は上院での審議の引き延ばしを図るとの見方もあります。議会は9月9日の週から10月13日まで閉会します。英政局に関する報道によって、英ポンドは状況が大きく変わる可能性があるため注意が必要です。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ