(AM) 米ISM製造業景況指数が3年ぶりの50割れ

2019/09/04 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・ISM製造業景況指数は米国の景気減速を示唆
・英政局の動向
・合意なきブレグジット阻止法案が本日4日にも議会で採決される可能性あり
・英首相は議会が法案を可決した場合、解散総選挙を提案する意向

(欧米市場レビュー)

9月3日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は105.742円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.09771米ドル、豪ドル/米ドルは0.67596米ドル、NZドル/米ドルは0.63294米ドルへと上昇しました。米国の8月ISM製造業景況指数が市場予想を下回り、米ドル安材料となりました(*後述)。

(本日の相場見通し)

米国の8月ISM製造業景況指数は49.1と、市場予想の51.1を下振れたうえに、“50”も下回りました。同指数が製造業活動の拡大・縮小の分かれ目である“50”を下回ったのは2016年8月以来、3年ぶり。米中貿易摩擦が影響したとみられます。

また、ISM製造業景況指数の構成項目をみると、新規受注指数が7月の50.8から47.2へと低下し、2012年6月以来の低水準。雇用指数も51.7から47.4へと低下し、2016年3月以来の低水準を記録しました。

足もとの市場の関心は、主に米中貿易摩擦英国の政局へと向いており、それらに関するニュースには引き続き注意が必要です。ただ、ISM製造業景況指数の弱い結果を受けて、米国景気の先行きFRB(米連邦準備理事会)の金融政策に再び市場の関心が向かう可能性があります。

本日は、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます(日本時間では5日03:00)。それが米国景気の先行き懸念を強める内容になれば、米ドルが軟調に推移する可能性があります。米ドル/円105.593円(8/27安値)が目先の下値メドになりそうです。

英下院(議会)は昨日(3日)、野党が提出した“合意なきブレグジット(英国のEU離脱)”を阻止する法案の審議入り動議を可決。この法案は、「10月19日までに議会で離脱協定案が可決されなければ、ジョンソン英首相はブレグジットの3カ月延期(2020/1/31まで)をEUに要請する」ことが柱となっており、本日にも採決が行われる可能性があります。

ジョンソン英首相は、下院が法案を可決した場合には解散・総選挙を提案する意向を表明。英国では議会の解散には下院(定数650)の3分の2以上の賛成が必要ですが、最大野党の労働党は10月31日の合意なきブレグジットの回避を優先するよう求めています。労働党が解散に賛成するかは不透明な状況です。

英ポンドは引き続き、英政局に関する報道に要注意です。政局が混乱するようであれば、ポンドに対して下落圧力が加わるとみられ、ポンド/円126.500円(8/12安値)を割り込む可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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