(AM) 米ドル/円:106円台半ばに近づくにつれて売り圧力が強まりそう

2019/08/28 08:34

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中貿易摩擦やブレグジットに関する報道に注意
・それらに関して新たな報道がなければ、米債券市場の動向などが材料になりそう
・イタリアの連立協議は本日28日も継続。協議はまとまるか
・連立協議が不調におわれば、議会解散、総選挙の可能性も

(欧米市場レビュー)

27日欧米時間の外国為替市場では、英ポンドが堅調に推移。ポンド/円は一時、130.334円へと上昇しました。コービン英労働党(野党)党首が「合意なきブレグジット(英国のEU離脱)を阻止するために、あらゆる必要な措置を講じる」と表明し、ポンドの支援材料となりました。

ユーロは軟調。一時、ユーロ/米ドルは1.10845米ドル、ユーロ/円は117.224円へと下落しました。デギンドスECB副総裁の発言がユーロの重石となりました。デギンドス副総裁はマイナス金利について、「ECBは積極性よりも大きな決断を持って行動する必要があり、低金利が長期化するのは明らかだ」と語りました。

(本日の相場見通し)

昨日(27日)の米債券市場では、10年債の利回りが2年債の利回りを下回る“逆イールド”が拡大しました。逆イールドは、リセッション(景気後退)の前兆とされます。*逆イールドについては、本日28日の『ファンダメ・ポイント』で解説していますので、ご覧ください。

米中貿易摩擦やブレグジットに関して新たな報道(トランプ米大統領のツイートを含む)が出てこなければ、外為市場の関心は米国の債券市場主要国株価中国人民元の動向に向かいそうです。オフショア人民元(中国本土外での人民元市場)は26日に対米ドルで過去最安値を記録。オンショア人民元(中国本土内での人民元市場)も昨日、11年半ぶりの安値をつけました。

“米国の逆イールドが一段と拡大する”、“主要国株価が下落する”、“人民元安が進行する”、そのような展開になればリスク回避の動きが強まる可能性があります。その場合、円高が進みそうです。

米ドル/円は、26日の急落後の戻り高値(106.369円)に近づくにつれて“売り(米ドル売り/円買い)圧力”が強まるとみられます。戻り高値を超えるには、米ドル買い、あるいは円売りにつながる強い材料が新たに必要かもしれません。

イタリアの“五つ星運動(与党)”と“民主党(野党)”の連立協議が本日も行われます。両党は日本時間23時以降、連立協議に関する報告をマッタレッラ大統領に行う予定。連立協議がまとまればユーロの支援材料になるとみられます。米ドル/円の動向次第ではあるものの、ユーロ/円118.138円(26日の急落後の戻り高値)に接近するかもしれません。一方、両党の協議が不調に終わった場合、議会解散・総選挙が実施される可能性が高まります。イタリア政治の先行き不透明感から、ユーロに下落圧力が加わりそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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