(AM) 米中両国が通商協議再開の意向

2019/08/27 08:59

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中貿易摩擦をめぐる懸念はいったん後退
・ただし、貿易摩擦が解決する兆しは依然としてみられず
・中国人民元の動向にも要注意
・イタリアの連立協議はまとまるか

(欧米市場レビュー)

26日欧米時間の外国為替市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は106.369円、ユーロ/円は118.138円、豪ドル/円は72.034円、NZドル/円は67.879円へと上昇しました。劉鶴・中国副首相が「中国は貿易戦争の激化に強く反対する」と述べ、「米国との貿易摩擦は冷静な交渉を通じて解決したい」と発言。トランプ米大統領も中国と通商協議を再開する意向を示しました。これらを受けて、米中貿易摩擦をめぐる懸念がいったん後退し、円に対する下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

中国は23日、「米国からの輸入品約750億米ドル相当に対し5~10%の追加関税を課す」と発表。それに対してトランプ米大統領も同日、すでに課している2500億米ドル相当の対中追加関税を現在の25%から30%に引き上げるうえ、対中追加関税第4弾(9/1と12/15の2回に分けて発動予定)の税率も10%ではなく15%にすると表明しました。

それを受けて、米中貿易摩擦激化への懸念からリスク回避の動きが強まり、昨日(26日)のオセアニア時間から東京時間朝にかけて円高が加速しました。

その後、米中両国が通商協議を再開する考えを示したことで、市場では貿易摩擦激化への懸念が後退。米ドル/円やクロス円は総じて値を戻しました。

ただ、米中貿易摩擦は依然として解決の糸口が見えておらず、今回のような報復合戦が今後も繰り広げられる可能性があります。米中貿易摩擦に関する報道(トランプ大統領のツイートを含め)には引き続き要注意です。

中国人民元の動向にも注目です。人民元は昨日、対米ドルで11年6カ月ぶりの安値を一時記録しました。人民元が下落を続ける場合、リスク回避に伴う円高圧力が強まる可能性があります。トランプ米大統領はかねてより、人民元安を“中国による為替操作”と批判しているためです。

米ドル/円は、上値が重い展開になりそうです。米中貿易摩擦をめぐる懸念は残存するとみられることや、昨日欧米時間に大きく上昇したこともあり、昨日高値(106.369円)に近づくにつれて“売り(米ドル売り/円買い)”圧力が強まりやすいと考えられます。

イタリアでは、五つ星運動(与党)と民主党(野党)が連立協議を行っています。両党は次期政権の首相をめぐり意見の相違(コンテ首相が続投するかどうか)があるものの、協議は進展しているようです。連立協議がまとまる場合、同国の政治の先行き不透明感が和らぎ、ユーロの支援材料となる可能性があります。連立協議は28日が期限であり、協議が不調に終われば解散・総選挙の可能性が浮上します。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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