(AM) トルコリラ/円が約2カ月ぶりの安値

2019/08/23 09:03

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・本日23日、パウエル米FRB議長が講演。“金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるか”に注目
・英ポンド/円:テクニカル面から下支えされやすいとみられる
・トルコリラ:トルコ中銀の預金準備率引き下げ、シリア情勢

(欧米市場レビュー)

22日欧米時間の外国為替市場では、英ポンドが堅調に推移。ポンド/円は一時、130.667円へと上昇し、約3週間ぶりの高値を記録しました。ブレグジット(英国のEU離脱)最大の障壁となっている英領北アイルランドとアイルランドとの国境管理問題について、メルケル首相が「10月31日の(ブレグジットの)期限までに解決策が見つかるかもしれない」と発言。“合意なきブレグジット”への懸念が後退し、ポンドの上昇材料となりました。

トルコリラは軟調。対米ドルで約1カ月半ぶり、対円で約2カ月ぶりの安値をつけました。19日のTCMB(トルコ中銀)による預金準備率の引き下げが、リラに対する下落圧力となりました(*後述)。

(本日の相場見通し)

パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が本日(23日)、“金融政策の課題”というテーマで講演を行います(日本時間23:00)。

パウエル議長の講演で、FRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供された場合、市場が反応しそうです。利下げ観測を後退させるような内容になれば、米ドルが堅調に推移する可能性があります。米ドル/円はこの3週間、107円に近づくと反落する展開が続いてきました。その状況が変化することも考えられます。

英ポンド/円は昨日、約3週間にわたって抑えられてきた130円水準を上抜けました。ブレグジット(英国のEU離脱)関連の報道(ポンドの材料)や主要国の株価動向(円の材料)に引き続き注意は必要ですが、130円を超えたことでテクニカル面から下支えされやすいとみられます。

トルコリラは引き続き軟調に推移しそうです。“TCMB(トルコ中銀)の預金準備率引き下げ”や“シリア情勢をめぐる懸念”がリラの重石になるとみられます。リラ/円は今後、17.917円(6/20安値)割れを試す可能性があります。

<TCMBの預金準備率引き下げ>
TCMBトルコ中銀は19日、“融資の伸び率が10-20%の銀行を対象に、預金準備率を引き下げ”ました。預金準備率の引き下げによって銀行の融資が拡大する可能性があります。その場合、輸入が増加(トルコは原油の90%以上、天然ガスのほぼ100%を輸入に依存)して経常赤字が拡大するおそれがあり、市場はそれを懸念しています。

<シリア情勢>
トルコとシリア(アサド政権)の緊張が高まっています。19日にシリア北西部でトルコ軍の車列が空爆を受けました。それに対し、トルコは「アサド政権が停戦合意を破って軍事作戦を行っている」と非難。一方、アサド政権は「トルコ軍はテロ組織を支援するために越境してきた」と主張しています。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。