(AM) リスク回避が強まり、円が全面高の展開

2019/08/15 08:27

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・中国の鉱工業生産は17年5カ月ぶりの低い伸び
・ドイツ経済は4-6月期にマイナス成長に転落
・米国債は逆イールド現象が発生
・本日15日、米経済指標が多数発表。米国や世界景気の先行き懸念が一段と強まれば、円高圧力がさらに強まる可能性も
・メキシコ中銀が本日、政策金利を発表。市場の見方は分かれる
・豪雇用統計で、RBA(豪中銀)の利下げ観測は一段と高まるか

(欧米市場レビュー)

14日欧米時間の外国為替市場では、が全面高の展開。一時、米ドル/円は105.657円、ユーロ/円は117.797円、豪ドル/円は71.225円、NZドル/円は67.896円へと下落しました。世界景気の先行き懸念からリスク回避の動きが強まり、円高材料となりました。

(本日の相場見通し)

昨日(14日)は、世界景気の先行き懸念を強める材料が相次ぎました。

中国の7月鉱工業生産は前年比+4.8%と、市場予想の+5.8%を下回り、17年5カ月ぶりの低い伸びを記録。ドイツの4-6月期GDP速報値は前期比マイナス0.1%となり、ドイツ経済はマイナス成長に転落しました。さらに、米国の10年債の利回りが2年債の利回りを下回りました。これは逆イールドと呼ばれる現象で、リセッション(景気後退)の前兆とされます。

*逆イールドについては、本日15日の『ファンダメ・ポイント』で詳しく解説していますのでご覧ください。

本日(15日)は、米国の小売売上高NY連銀製造業景気指数フィラデルフィア連銀製造業景気指数鉱工業生産が発表されます。それらが市場予想を下回る結果になれば、米国や世界の景気の先行きをめぐる懸念は一段と強まり、リスク回避の動きが加速する可能性があります。その場合、円高圧力が加わるとみられ、米ドル/円105.051円(8/12安値)割れを試すこともあり得ます。

米経済指標の市場予想は、以下の通りです。( )は発表時間
・7月小売売上高(前月比):+0.3%(日本時間21:30)
・8月NY連銀製造業景気指数:+3.0(同上)
・8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数:+10.0(同上)
・7月鉱工業生産(前月比):+0.1%(22:15)

本日はまた、BOM(メキシコ中銀)の政策金利が発表されます(日本時間では16日03:00)。市場の見方が“据え置き”と“0.25%の利下げ”で分かれているため、いずれの結果になってもメキシコペソが反応する可能性があります。*14日のデイリーフラッシュ(PM)『15日、メキシコ中銀が政策金利を発表へ。据え置きか、利下げか』をご覧ください。

豪ドルは、豪州の7月雇用統計(日本時間10:30)に目を向ける必要がありそうです。RBA(豪中銀)は、金融政策運営において雇用情勢(特に失業率)を注視する姿勢を示しています。本日の雇用統計で失業率が6月の5.2%から上昇(悪化)した場合、市場ではRBAの利下げ観測が一段と高まり、豪ドルが軟調に推移する可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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