(AM) 米ドル/円は105円割れを試すか

2019/08/06 08:38

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国が中国を為替操作国に認定
・米中両国の対立は一段と深刻化する可能性あり
・人民元安や主要国株価が下落すれば、リスク回避の動きはさらに強まりそう
・円高が加速する場合、日本当局の対応に注目

(欧米市場レビュー)

5日欧米時間の外国為替市場は、比較的落ち着いた展開。米ドル/円やクロス円は東京時間終盤の水準近辺で推移しました。米中両国の対立への懸念や人民元安を背景にリスク回避の動きが強まり、東京時間に円高が加速しましたが、欧米時間に入ると円高は一服しました。欧米株は総じて下落したものの、それに対する反応は限定的でした。NYダウの終値は前日比767.27ドル(2.90%)安の25717.74ドル。下げ幅は一時961ドルに達しました。

(本日の相場見通し)

ムニューシン米財務長官は5日(日本時間6日朝)、「(米国は)中国を為替操作国に認定した」と発表。「中国の行動は、競争的な切り下げを控えるとのG20での約束に違反する」と非難し、中国による不公平な競争上の優位を排除するため、IMF(国際通貨基金)に働きかけるとしました。

中国人民元は対米ドルで昨日(5日)、7元台へと下落し、約11年ぶりの安値を記録。トランプ米大統領はそれを“(中国による)為替操作だ”と批判していました。

トランプ米大統領が1日に、対中追加関税第4弾(約3000億米ドル相当の中国からの輸入品に10%の追加関税を課す)を発表して以降、米中両国の対立は深刻化しつつあります。中国政府は5日、国有企業に対して米国産の農産物の輸入を停止するよう要請。また、5日の人民元安は、米国に対抗するため中国当局が人民元安阻止の介入を意図的にしなかったとの見方があります。

米国が中国を為替操作国に認定したことで、米中両国の対立は一段と深まるおそれがあります。リスク回避の円買いになりやすいとみられ、米ドル/円やクロス円には下押し圧力が加わる可能性があります。本日(6日)、対米ドルで人民元安がさらに進行し、主要国株価が一段と下落すれば、リスク回避の動きが加速して、米ドル/円105.000円(心理的節目)割れを試すかもしれません。

その場合、日本当局の対応に注目です。武内財務官は5日、足もとの円高について、「過度な為替の変動は経済・金融にとって望ましくない」としたうえで、「必要に応じてG7やG20の合意に沿ってきちんとした対応をとる」と語りました。ただ、「(為替)介入についてはコメントしない」としました。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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