(PM) トルコ中銀総裁が大幅利下げを示唆

2019/08/01 14:45

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)は2019年のCPI上昇率見通しを下方修正
・TCMB総裁は“利下げ余地は大きい”と指摘。今後大幅な利下げが行われる可能性あり
・TCMB総裁はまた、中銀の独立性を強調

TCMB(トルコ中銀)は7月31日、四半期に一度のインフレ報告を公表。2019年のインフレ率(CPI上昇率)見通しを+14.6%から+13.9%に下方修正する一方、2020年については+8.2%に据え置きました。ウイサルTCMB総裁は会見で、2019年の見通しを下方修正した理由として、食料品や輸入品の価格下落などを挙げました。

今後の金融政策については、「行動する余地はかなりある」と述べ、追加利下げを示唆。そのうえで、「やり方やタイミング、規模は、物価や金融の動向次第であり、経済指標に基づいて決定していく」としました。

ウイサル総裁はまた、「われわれはインフレ目標を達成する手段の利用において独立性を有している」と強調。「(独立性についての)懸念や不安はない」と語りました。エルドアン・トルコ大統領はTCMBに対して利下げ圧力を加えており、7月6日にはそれに従わないチェティンカヤ総裁(当時)を解任。市場ではTCMBの独立性をめぐる懸念が根強くあります。

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トルコのCPI(消費者物価指数)は2018年10月の前年比+25%をピークに鈍化傾向にあり、2019年6月は+15.72%でした。

一方、TCMBは2018年9月以降、政策金利を24.00%に据え置いてきましたが、前回(2019/7/25)会合で4.25%の利下げを決定。政策金利を19.75%に引き下げました。

それにもかかわらず、トルコリラは足もとで堅調に推移しています。主要国中銀の多くが金融政策の緩和へと動いている(TCMBだけではない)ことや、7月の利下げ後もなお高いTCMBの政策金利の水準などが市場で意識されているようです。トルコリラ/円は目先、200日移動平均線(7/31時点で19.850円水準)に接近するかもしれません。

ただ、政策金利が高いことは利下げの余地も大きい(大幅な利下げが可能)ことを示します。2018年のトルコリラ安のベース効果によってCPI上昇率の鈍化傾向は継続するとみられ、それに伴いTCMBは政策金利を下げ続けると考えられます。

その場合、政策金利の水準よりも利下げ幅の大きさの方が強く意識されるかもしれません。いずれトルコリラは、下落圧力にさらされる可能性があります。


(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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