(AM) 米ドル/円は伸び悩む展開か

2019/07/30 08:55

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米ドル/円は約2カ月間続くレンジ上限に接近
・テクニカル面に加え、米FOMCが控えていることもあり、米ドル/円には利益確定売り圧力が強まりそう
・30-31日、米中通商協議。進展がみられれば、円安が進行する可能性あり
・日銀は本日30日の会合で、金融政策の現状維持を決定するとみられる

(欧米市場レビュー)

29日欧米時間の外国為替市場では、 英ポンドが下落。ポンド/円は一時132.852円へと値を下げ、約7カ月ぶりの安値を記録しました。“合意なきブレグジット(英国のEU離脱)”への懸念が英ポンド安材料となりました。ラーブ英外相はブレグジットについて、EUはこれまで非常に強情な姿勢をとってきたとしたうえで、「EUが態度を変えないのであれば、英国は合意なき離脱に向けた準備を進める必要がある」と述べました。

*英ポンドについては、30日の『ファンダメ・ポイント』で分析していますので、ご覧ください。

トルコリラは堅調。リラ/円は一時19.348円へと上昇し、約3カ月半ぶりの高値を記録しました。エルドアン・トルコ大統領が26日に「(トルコ中銀は)年末に向けて“緩やかなペース”の利下げを継続すべき」と述べたことが、リラの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

本日(30日)は、米国の6月PCE(個人消費支出)コアデフレーター7月消費者信頼感指数が発表されます。それらの結果に市場が反応する可能性はあるものの、FOMC(米連邦公開市場委員会)が30日と31日に開催されます。市場ではFOMCが意識されて、PCEコアデフレーターなどの結果は短期的な材料に終わる可能性があります。FOMCの金融政策発表は、米東部時間31日14:00(日本時間8/1の03:00)です。

米ドル/円は約2カ月間にわたって続くレンジ(おおむね107~109円)の上限に接近しています。テクニカル面に加え、FOMCを控えていることを考えると、109円近辺では“利益確定売り”圧力が加わりやすいと考えられ、伸び悩む展開が想定されます。

30日と31日には、米国と中国の閣僚級による通商協議も上海で行われます。トランプ米大統領は26日に、中国が2020年の米大統領選まで時間稼ぎをしている可能性があるとの見方を示し、「(中国と)早期に合意できるかは疑わしい」と語りました。

通商協議に対する市場の期待はこれまでに比べて低い感があります。そのため、協議に進展がみられた場合にはサプライズとなり、リスク回避の動きが後退して円安が進行する可能性があります。

本日は日銀の金融政策決定会合があり、金融政策の現状維持が決定されそうです。その通りの結果となり、黒田日銀総裁の会見(15:30開始)もサプライズがなければ、市場に大きな反応はみられないかもしれません。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。