(PM)25日のTCMB会合の結果次第でトルコリラ安加速の可能性も!?

2019/07/22 16:20

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)は25日の会合で利下げを決定しそう
・市場は利下げを確実視しており、幅が焦点
・大幅に利下げすれば、トルコリラ安が加速する可能性あり
・小幅な利下げならリラはいったん上昇か
・ただし、大統領が金融政策への介入を強める行動に出れば、リラの上昇は長続きしない可能性も

TCMBが25日に政策金利を発表します。その結果がトルコリラの動向に影響を与える可能性があり要注意です。

CPI(消費者物価指数)上昇率の鈍化やウイサルTCMB新総裁(7/6に就任)の発言を踏まえると、利下げが行われる可能性が高いとみられます。CPI上昇率は2018年10月に前年比25.24%に達しましたが、今年6月は15.72%と1年ぶりの水準まで鈍化しました。ウイサル総裁は7月15日、「ディスインフレ(CPI上昇率の鈍化)は年内継続する」との見方を示したうえで、「中銀には金融政策を操作する余地がある」と語りました。

市場は利下げを確実視しており、焦点は“利下げ幅”へと移っています。トルコの足もとの実質金利(政策金利-CPI上昇率)は8.28%。前回6月12日の会合時は5.29%でした。5%程度の実質金利を維持するとすれば、3.00%幅の利下げが今回行われても不思議ではありません。利下げ幅の市場予想の中央値は、22日時点で2.00%幅です。

トルコのCPI上昇率と政策金利

(出所:リフィニティブより作成)

トルコ政府は7月6日、チェティンカヤTCMB総裁を突然解任。エルドアン大統領はその理由を「利下げをするように経済会合の際に繰り返し伝えていたが、必要な措置を講じなかったため」と説明しました。19日には、より具体的な経緯が明らかになりました。報道によると、エルドアン大統領は6月12日のTCMBの政策会合前にチェティンカヤ総裁に3.00%の利下げを要求。TCMBはその要求を承知していたにもかかわらず、政策金利を据え置いたため、エルドアン大統領はチェティンカヤ氏の解任を決断したようです。

市場ではTCMBの独立性をめぐる懸念が再燃しています。こうした状況のなか、TCMBが25日の会合で大幅な利下げ(3.00%以上?)に踏み切れば、エルドアン大統領の圧力に屈したとの懸念からトルコリラ安が加速するおそれがあります。トルコリラ/円17.917円(6/20安値)に向かって下がる可能性があります。

一方、利下げ幅が小幅(2.00%以下?)にとどまれば、TCMBの独立性をめぐる懸念が後退し、トルコリラはいったん上昇しそうです。トルコリラ/円は200日移動平均線(7/19時点で19.870円水準に位置)に近づくかもしれません。ただし、エルドアン大統領がTCMBの決定に納得するかは不透明です。エルドアン大統領が金融政策への介入をさらに強める行動に出れば、トルコリラの上昇は長続きしない可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。