(AM)米国の対メキシコ関税発動の可能性低下!?

2019/07/22 08:37

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・為替相場は次回FOMCの利下げ幅をめぐる観測の変化に左右されやすい地合い
・0.50%幅の利下げ観測が高まれば米ドルが下落し、その観測が後退すれば米ドルが上昇する展開
・米国務長官はメキシコの不法移民対策に「著しい進展があった」との見方

(欧米市場レビュー)

19日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は107.936円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.12023米ドル、豪ドル/米ドルは0.70380米ドル、NZドル/米ドルは0.67514米ドルへと下落しました。NY連銀が前日のウイリアムズ総裁の講演について、「調査に基づく学術的内容であり、次回FOMCにおける政策行動に関するものではない」と発表したことで、7月30-31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.50%幅の利下げ観測が後退し、米ドルの支援材料となりました。ウイリアムズ総裁は18日、「経済に問題が生じている兆候があるならば、素早く利下げに動く必要がある」と語りました。

(本日の相場見通し)

足もとの為替相場は、次回FOMC(7/30-31日)の利下げ幅をめぐる観測の変化に左右されやすい状況です。0.50%幅の利下げ観測が高まれば米ドルは下落し、その観測が後退すれば米ドルは上昇する展開となっており、こうした状況は当面続くとみられます。CMEグループのFEDウォッチによると、金利先物市場が19日時点で織り込む7月FOMCでの0.50%幅の利下げの確率は24.0%。18日時点では60.2%でした。

本日(22日)は米国の経済指標の発表がなく、またFOMCメンバーは20日から金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入りました。そのため、7月FOMCの利下げ幅についての観測が大きく変化する可能性は低いとみられます。外為市場は比較的落ち着いた展開になる可能性があります。

ポンペオ米国務長官は21日、エブラルド・メキシコ外相と会談。メキシコ外務省は会談後に声明を発表し、ポンペオ長官はメキシコの不法移民対策について「著しい進展があった」との見方を示したとしました。米国は6月7日に不法移民対策の強化を条件に対メキシコ関税の発動を見送りました。ただ、あくまで“期限を設けない延期”であり、米国は45日間で中間評価を実施するとしており、ポンペオ国務長官とエブラルド外相の会談は中間評価の過程で行われたものです。対メキシコ関税発動の可能性は残っているものの、ポンペオ長官が不法移民対策について前向きな見方を示したことで、その可能性は低下したとみられます。メキシコペソにとってプラス材料と考えられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。