(AM)米ドル/円はレンジ内での推移が継続か

2019/07/17 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・市場は7月の米FOMCでの利下げを完全に織り込む。関心は利下げ幅へ
・本日17日、ベージュブック公表。米景気やインフレについてどのような見解が示されるか
・米ドル/円は“107円台半ば~109円”のレンジ内で推移。レンジの上下いずれかを抜けるには強い材料が必要か

(欧米市場レビュー)

16日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は108.334円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.12014米ドル、豪ドル/米ドルは0.70064米ドル、NZドル/米ドルは0.66898米ドルへと下落しました。米国の6月小売売上高が前月比+0.4%と、市場予想の+0.1%を上回り、米ドルの支援材料となりました。

英ポンドは下落。ポンド/円は一時、133.968円へと値を下げ、6カ月半ぶりの安値を記録しました。ジョンソン前外相とハント外相(両名とも次期英首相候補)が15日、アイルランドと英領北アイルランドとの国境問題に関するバックストップについて、「期限が設定されたとしても受け入れない」と発言。合意なきブレグジット(英国のEU離脱)への懸念が高まり、ポンドに対する下押し圧力となりました。

*英ポンド/円のテクニカル分析は、17日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

(本日の相場見通し)

パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は17日、「米国の景気拡大を支援するため適切に行動する」と表明。改めて利下げを示唆しました。

市場は7月30-31日の次回FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げを完全に織り込んでおり、関心は利下げ幅へと移っています。利下げ幅は0.25%との見方が有力ですが、金利先物市場は0.50%幅の利下げの確率も3割程度織り込んでいます。

本日、FOMCでの討議資料となるベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます(日本時間では18日03:00)。そこで米国の景気やインフレについて慎重な見方が示されれば市場では0.50%幅の利下げ観測が高まる可能性があります。その場合、米ドルは軟調に推移しそうです。

米ドル/円は約3週間にわたり、“107円台半ば~109円”のレンジで上下動を繰り返しています。そのため、レンジの下限に近づく場面では買い意欲、反対にレンジの上限に近づく場面では売り圧力が強まりやすいとみられます。レンジの上下いずれかを抜けるには、強い材料が必要と考えられます。

米国株の動向に注意が必要かもしれません。NYダウは昨日(16日)、前日比23.53ドル(0.1%)安の27335.63ドルで取引を終了。5営業日ぶりに下落しました。足もとの株価かはFRBの利下げ期待が原動力になっていました。米企業決算が今週から本格化しており、株式市場の関心は“企業決算”へと移るかもしれません。企業決算が低調な結果になれば米国株が軟調に転じる可能性もあります。米国株が大きく下落すれば、リスク回避に伴う円高になりやすいと考えられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。