(AM)パウエル米FRB議長が議会証言で利下げを示唆

2019/07/11 08:50

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米FRB議長は「米国の経済成長を維持するため適切に行動する」と表明
・堅調な6月の米雇用統計を受けてもFRBの見通しは変わらず
・市場では次回FOMC(7/30-31)での0.50%の利下げ観測が再び高まる。米ドルは上値が重い展開になりそう

(欧米市場レビュー)

10日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は108.337円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.12618米ドル、豪ドル/米ドルは0.69649米ドル、NZドル/米ドルは0.66529米ドルへと上昇しました。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が利下げを示唆(*後述)し、米ドルに下押し圧力が加わりました。

BOC(カナダ中銀)は政策金利を1.75%に据え置くことを決定。その発表直後にカナダドルが下落しましたが、下落は一時的でした。

(本日の相場見通し)

パウエルFRB議長は昨日(10日)、米下院の議会証言で「米国の経済成長の下支えに向けて必要に応じて行動する」と表明。7月30-31日の次回FOMC(連邦公開市場員会)での利下げを示唆しました。パウエル議長はまた、「米中通商協議は良い兆候だが、不確実性は完全に払拭されていない」との見方を示し、また6月の米雇用統計については、「FRBの経済見通しを根本的に変えるものではない」と語りました。

それらを受けて、市場では7月のFOMCでの0.50%の利下げ観測が再び高まりました。CMEグループのFEDウォッチによると、金利先物市場は次回FOMC(7/30-31)で0.50%幅の利下げが行われる確率が28.7%織り込まれています。7月3日時点は3.3%でした。

*11日のファンダメ・ポイントにて、FRBの金融政策について分析しています。

FRBの利下げ観測の高まりを背景に、米ドルは上値が重い展開になりそうです。本日(11日)は米国の6月コアCPIが発表されます。それが市場予想の前年比+2.0%を下回った場合には、利下げ観測は一段と高まり、米ドルに対する下落圧力はさらに強まる可能性があります。米ドル/円107.719円(7/5安値)へと下がるかもしれません。

*米ドル/円のテクニカル分析は、11日のテクニカル・ポイントをご覧ください。

パウエルFRB議長は本日も議会証言(今度は上院)を行います。証言は昨日に沿った内容になるとみられ、質疑応答に注目です。また、本日は他のFRB当局者の講演も多く予定されています(下記参照)。それらでFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されれば、市場が反応しそうです。

( )は日本時間
〇ウィリアムズNY連銀総裁(12日00:10、02:30)
〇バーキン・リッチモンド連銀総裁(同01:30)
〇ボステック・アトランタ連銀総裁(同02:00)
〇クォールズ副議長(02:30)
〇カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(06:00)
*特にFOMCで投票権を持つNY連銀総裁と副議長の講演に注目です。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。