(AM)米FRB議長の議会証言、カナダ中銀の政策金利に注目

2019/07/10 09:00

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・FRB議長は金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供するか
・カナダ中銀の金融政策スタンス
・メキシコの政権内の対立が浮き彫りに。経済政策の決定プロセスに不透明感

(欧米市場レビュー)

9日欧米時間の外国為替市場では、メキシコペソが急落。ペソ/円は一時、5.621円へと値を下げました。ウルスア財務相が突然辞任を表明したことがきっかけです。ウルスア氏の後任にはエレラ副財務相が昇格しました。

米ドル/円やユーロ/円、ユーロ/米ドルは小動き。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の議会証言を翌日に控えて様子見ムードが強く、一日の値幅はそれぞれ0.3円、0.2円、0.002米ドル程度にとどまりました。

(本日の相場見通し)

本日(10日)、パウエルFRB議長が議会証言を行います(日本時間23:00)。

FRBは6月19日のFOMC時の声明で「景気の拡大を維持するために“適切な行動を取る”」と表明しました。パウエル議長は議会証言でその方針に変化がないことを改めて示すとみられます。

CMEグループのFEDウォッチによると、金利先物市場は7月30~31日の次回FOMCでの利下げを織り込んでいます。利下げ幅の確率は0.25%が96.2%、0.50%が3.8%です。

そのため、パウエル議長の議会証言では、7月の利下げを再確認するとともに、その後の利下げペースについて新たな手掛かりが提供されるのかが焦点になりそうです。金利先物市場は年内3回(7月を含む)以上の利下げの確率を53.6%織り込んでいます(FEDウォッチ参照)。議会証言が市場の利下げ観測を後退させる内容になれば、米ドルが上昇する可能性があります。米ドル/円は109円台に定着するかもしれません。

*米ドル/円のテクニカル分析は、10日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

本日はまた、BOC(カナダ中銀)が政策金利を発表します(日本時間23:00)。政策金利は現行の1.75%に据え置かれるとみられ、今回はBOCの政策スタンスが焦点になりそうです。金融政策報告や声明、ポロズBOC総裁の会見の内容にカナダドルが反応する可能性があります。*詳しくは、9日の『デイリーフラッシュ(PM)』をご覧ください。

メキシコペソは上値が重い展開になりそうです。ウルスア財務相の辞任によって政権内の対立が浮き彫りとなっただけでなく、専門知識の乏しい人物によって経済政策が決定されている可能性も示されたためです。ウルスア氏は「多くの経済問題で政権内には意見の不一致があり、十分な根拠もなく政策が決定されている」と批判。「財務省の仕事に知識のない人物に(政策を)押し付けられるのは受け入れられない」としました。

*10日のファンダメ・ポイントにて、メキシコ財務相辞任について分析しています。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。