(AM)米中貿易摩擦の激化はいったん回避

2019/07/01 08:59

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米中首脳は通商協議を再開することで合意
・米国は対中関税第4弾の発動を見送ると表明
・トルコ、ロシア大統領は7月中のトルコへのS-400(ロシア製地対空ミサイルシステム)納入を再確認
・米大統領はトルコのS-400導入に懸念を表明。対トルコ制裁の可能性を否定せず

(欧米市場レビュー)

6月28日欧米時間の外国為替市場は、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね東京時間終盤の水準近辺での“もみ合い”となりました。29日の米中首脳会談を前に様子見ムードが漂いました。米国の6月シカゴ購買部協会景気指数が49.7と、市場予想の53.1を下回り、景況判断の分かれ目となる“50”を2年5カ月ぶりに割り込みました。ただ、市場に大きな反応はみられませんでした。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は6月29日に大阪で会談。通商協議を再開することで合意するとともに、トランプ大統領は中国からの輸入品3000億米ドル相当に対する追加関税の発動を見送ると表明しました。トランプ大統領はまた、ファーウェイへの一部の米製品の輸出を容認する考えも示しました。

それらを受けて、米中貿易摩擦に対する懸念が後退し、リスク回避の動きが後退。本日(7/1)朝の外為市場では円安が進行し、米ドル/円やクロス円が上昇しています。

本日については、米中首脳会談の結果が引き続き好感されて、円安が進みやすい地合いになりそうです。上値メドとして、米ドル/円108.758円(6/11高値)、ユーロ/円123.690円(5/21高値)がそれぞれ挙げられます。

ただし、米中がこれまで双方に課した追加関税は解除されていません。また、両国の貿易戦争の激化はいったん避けられましたが、通商協議で合意できるかは依然として不透明な状況です。米中貿易摩擦(通商協議)の行方には引き続き注意が必要です。

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エルドアン・トルコ大統領とプーチン・ロシア大統領は6月28日に会談し、7月中にS-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)をトルコに納入することを再確認しました。米国はトルコがS-400を導入することに強く反対しています。

翌29日には、トランプ大統領とエルドアン大統領の会談が行われました。トランプ大統領はトルコのS-400の導入に懸念を表明し、対トルコ制裁が議論されていると語りました。その一方で、S-400の問題はオバマ政権時に議会がパトリオット(米国製の地対空ミサイルシステム)のトルコへの供与を認めなかったことにも責任があると指摘しました。

米国が対トルコ制裁を発動する可能性は依然としてあり、実際に制裁が発動された場合には、トルコリラに対して下落圧力が加わるとみられます。米政府の対応には引き続き注意が必要です。

*トルコリラ/円のテクニカル分析は、本日(7/1)の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。