(AM)トルコリラが反落。選挙後の上昇は一時的に終わる

2019/06/25 08:41

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国はトルコがS-400を導入すれば制裁を科すと警告。市場は米国の対トルコ制裁を懸念
・パウエル米FRB議長は本日の講演で、金融政策の先行きについて新たな材料を提供するか
・米中の閣僚級による通商協議が本日25日にも再開されるとの報道あり

(欧米市場レビュー)

24日欧米時間の外国為替市場では、トルコリラが反落。23日のイスタンブール市長選のやり直し選挙で野党CHP(共和人民党)の候補が与党AKP(公正発展党)の候補に再び勝利したことを受けて、トルコリラ/円は欧州時間早朝に一時18.731円へと上昇しました。ただ、米国の対トルコ制裁への懸念(*後述)は強く、徐々に上げ幅を縮小する展開へ。結局、トルコリラ/円は欧州時間早朝までの上げ幅を消しました。

ユーロは底堅く推移。一時、ユーロ/米ドルは1.14007米ドル、ユーロ/円は122.343円へと上昇しました。ドイツの6月IFO企業景況感指数が97.4と、市場予想の97.2を上回り、ユーロの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

トルコはS-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)を導入する計画です。S-400は7月前半にも導入が始まる予定です。米国はF35戦闘機などの機密情報が漏えいするおそれがあるとして、トルコに計画を撤回するように強く要請。計画を撤回しなければ制裁を科すと警告しています。

エルドアン・トルコ大統領は20日、G20大阪サミット(6/28-29)に合わせてトランプ米大統領と会談を行い、S-400の問題について協議する考えを示しました。

米トルコ首脳会談を前に、市場では米国の対トルコ制裁への懸念がくすぶり続けるとみられます。トルコリラは上値が重い展開になりそうです。対トルコ制裁への懸念を一段と高めるニュースが新たに出た場合、トルコリラ/円は17.917円(6/20安値)に接近する可能性もあります。

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本日(25日)は、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が“経済や金融政策”について講演します(日本時間では26日02:00)。FOMC(米連邦公開市場委員会)が先週行われたばかりであり、パウエル議長の本日の講演はその時の声明や会見に沿った内容になるとみられます。その場合、市場に大きな反応はなさそうです。一方、FRBの7月利下げ観測を一段と強める内容になれば、米ドル安が進行する可能性があります。

米中の閣僚級による通商協議が本日にも再開されるとの報道があります。通商協議に関する報道が出てくることも考えられます。市場で通商協議進展への期待が高まる場合、円や米ドルに下押し圧力が加わりやすいとみられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。