(PM)カナダ中銀の利下げ観測後退!?

2019/06/20 14:45

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・カナダの5月総合CPIは7カ月ぶりの高い伸び
・3つのコアインフレ指標のうち2つがBOC(カナダ中銀)の目標を上回る
・BOCの利下げの確率が低下し、カナダドルにとってプラス材料になりそう

カナダの5月CPI(消費者物価指数)が昨日(19日)発表されました。

結果は、総合CPIが前年比+2.4%と、4月の+2.0%から加速し、7カ月ぶりの高い伸びを記録。BOC(カナダ銀行、中銀)のインフレ目標である+2%を上振れました。

また、BOCが総合CPI以上に重視するコアインフレ指標は、3つのうち2つがBOCの目標を上回りました。共通値は前年比+1.8%と4月から変わりませんでしたが、トリム値が同+2.3%、中央値が同+2.1%と、それぞれ4月の+2.0%、+1.9%から上昇率が加速。トリム値は2009年3月以来、約10年ぶりの高い伸びでした。

BOCは5月29日の前回会合で、政策金利を1.75%に据え置くとともに、「現在の政策金利によって実現されている緩和の度合いは適切」との見方を示し、政策金利を当面据え置くことを示唆しました。

カナダ最大の貿易相手である米国の景気が減速し、米中貿易摩擦には先行き不透明感が残ります。そのため、市場はBOCの政策金利の当面据え置きを予想しつつも、次の一手は“利下げ”との観測があります。今回のインフレ統計の結果を受けて、その観測は後退するとみられます。

RBNZ(NZ中銀)は5月、RBA(豪中銀)は6月にそれぞれ利下げを実施。FRB(米連邦準備理事会)は利下げを示唆し、ECB(欧州中央銀行)も利下げの可能性に言及しています。主要国中銀が金融政策の緩和へと向かうなか、BOCの利下げの確率が低下することは、カナダドルにとってプラス材料と考えられます。ただし、カナダドル/円は、米ドル/円が下落を続ける場合には上値が重くなる可能性もあります。


(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。