(AM)トルコはS-400導入の方針を改めて表明

2019/06/14 08:50

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・FRBの早期利下げ観測が米ドルの重石。
・米小売売上高などが弱い結果になれば、利下げ観測は一段と高まり、米ドル安が進行も
・米国はトルコがS-400導入を取り止めなければ、F35関連計画から除外すると通知
・一方、トルコはS-400導入の方針を崩さず。米トルコ関係は一段と悪化するおそれ

(欧米市場レビュー)

13日欧米時間の外国為替市場では、トルコリラが下落。一時、対米ドルや対円で約2週間ぶりの安値を記録しました。米国とトルコの関係が一段と悪化するとの懸念が高まり、トルコリラへの下押し圧力となりました(後述)。

カナダドルは強含み。カナダドル/円は一時、81.529円へと上昇しました。ホルムズ海峡付近で石油タンカーが攻撃されたことを受けて、米WTI先物(原油価格)が急伸。原油価格の上昇が資源国通貨であるカナダドルを支えました。WTI先物の終値は、前日比1.14ドル(2.2%)高の1バレル=52.28ドル。一時は53.45ドル(4.5%高)まで上昇しました。

(本日の相場見通し)

本日(14日)は、米国の5月小売売上高5月鉱工業生産6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が発表されます。市場では、FRB(米連邦準備理事会)が早期に利下げを行うとの観測があり、それが米ドルの重石となっています。小売売上高などが市場予想を下回れば、利下げ観測は一段と高まり、米ドルが下落する可能性があります。なお、CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物市場が12日時点で織り込む、6月18-19日の次回FOMCにおける利下げの確率は23.3%。利下げの確率は7月までで85.1%へと上昇します。

市場予想は、以下の通りです。
・小売売上高:前月比+0.6%(日本時間21:30発表)
・鉱工業生産:前月比+0.2%(同22:15)
・ミシガン大学消費者信頼感指数:98.0(同23:00)

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シャナハン米国防長官代行は6月6日、トルコに対して、S-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)の導入を取り止めなければ、“F35(戦闘機)関連計画から除外する”と書簡で通知しました。

それに対して、エルドアン・トルコ大統領は12日、「トルコはS-400を“すでに購入済み”であり、7月に納入される」と述べたうえで、「F35関連計画からトルコを除外した国の責任を問う」と発言。チャブシオール外相は13日、「トルコはS-400導入の決定を取り下げるつもりはない」と語りました。

米国は、トルコがS-400を導入した場合には制裁を科す可能性に言及しています。両国の関係が一段と悪化するとの懸念から、トルコリラには下押し圧力が加わりやすいとみられます。

エルドアン大統領とトランプ米大統領は、G20大阪サミット(6/28-29)に合わせて首脳会談を行う予定です。首脳会談が物別れに終わった場合、トルコリラに対する下落圧力が強まる可能性もあり、注意が必要です。

*トルコリラ/円のテクニカル分析は、本日14日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。